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【やさしい教師のいじめかた2】

どうも、SS担当タイヤキです!

来週のラブライブイベントに向けて準備中ですが、
唐突になのはSSを投下します!! 決して現実逃避じゃ(ry

なのは先生の話、思いの外妄想が膨らみ始めてまして、もしかしたらシリーズ化するかもしれません(笑)

ではでは、続きからどうぞ(※百合注意)
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【やさしい教師のいじめかた2】
 
 
     ◇◆◇
 
「え? あれ? フェイトちゃんやん!」
 
 はやては教室に入るなり、フェイトが学校に来ている事に驚きの声を上げた。しかし、フェイトの方ははやてに気付く様子も無く、ただぼんやりと窓の外を眺めている。
 
「フェイトちゃん! どうしたん、今日は?」
 
 はやては、驚きのあまり挨拶するのも忘れて、フェイトに疑問を投げつける。
 フェイトは、気だるそうに顔の向きを変えると、「ああ、はやてか」と呟いた後、こう続けた。
 
「……別に、学生が学校に来ることは、当たり前のことだよ」
 
 ────まさに正論。
 それは、その通りなのだが、フェイトに関しては、それが普通ではないから聞いているのだ。
 この一年、彼女は二日続けて休むことはあっても、二日続けて学校へ来た事はなかった。
 
「いやいやいやいや、それは私らみたいな毎日学校に来てる子がいうセリフやで。フェイトちゃんは、違うやん」
 
「……むぅ、確かにそうだけど……そうはっきり言われると、少し傷付く……」
 
「ごめん、ごめん、フェイトちゃん……で? フェイトちゃんが、毎日学校に来たくなる程の理由は何なん??」
 
 初めて見せるフェイトの少し拗ねた表情に、はやての心は色めき立って、自然と声のトーンが上がってしまう。フェイトの登校理由に、自分が何等かの影響を与えているのでないかという期待も、はやての胸の中にはあった。
 しかし、フェイトの口から返ってきた答えは、予想に反して、はやてを不安にさせた。
 
「……まぁ昨日、ちょっと面白い”オモチャ”を見つけたんだ」
 
 そう言ってフフッと笑みを零すフェイトに、はやては強い焦りを覚える。
 先ほどの、拗ねた表情も、二日連続で登校したことも、全部その”オモチャ”のためだと言うのか。
 
「……”オモチャ”って、どういうことなん?」
 
 平常心、と自分に言い聞かせながら質問するはやての声は、掠れていて、トーンも下がり気味で、不安な気持ちが声に乗ってしまう。しかし、フェイトの方は、そんなはやての変化に気づく様子もなく、ニヤニヤとした表情のまま話を続ける。
 
「それは、ナイショ♪」
 
 その声は本当に楽しそうで、はやての心はさらにかき乱されていった。
 
 
 
     ◇◆◇
 
 朝のHRの開始を告げるチャイムが鳴り、生徒たちは自分の席に座り始める。この不安な気持ちをそのまま質問にしてフェイトにぶつけたい、という思いとは裏腹に、はやては機械的にフェイトへの質問を引き上げて自身の席につく。
 
「きりーつ、礼!」
 
 担任の先生と、昨日から教育実習として来ている先生が教室に入ってくると、日直が教室中に響き渡る声で号令をかけた。はやては、それに無意識に反応して礼をする。
 椅子に座る直前、ふと前の席に座っているフェイトを見たはやては、嫌な予感が的中してしまったことをそのにやけた彼女の表情から悟った。
 今までに見たことがないほど緩んだ頬の彼女の表情は、はやての心を大きく抉り、耐え切れなくなったはやては、HRが終わるまで、ずっと目を伏せていた。
 
      ◇
 
 HRが終わり、はやてがフェイトに続きを聞こうと席を立つと、フェイトも同時に席を立った。
 昨日同様にもう帰ってしまうのか、と焦ったが、どうやらそうではないらしく、教育実習で来た先生の元へと駆けて行った。
 昨日、HR直後に帰宅したフェイトと教育実習生の間に、接点なんて存在するはずがない。そんなはやての思いとは裏腹に、駆け寄ったフェイトは意地悪そうな笑顔でなのは先生に話かけている。
 周りの目も気にせずに笑顔を見せるフェイトを眺めながら、はやては強い虚無感に襲われていた。自分がいくら話しかけても見せなかった表情を、今自分ではない誰かに向けている──その事実が、はやての心に深く突き刺さる。
 
「……何、話してるんやろか…………」
 
 口から洩れる呟きは、行く先もなく宙を彷徨った挙句、何もなかったように溶けて消える。なのは先生の方を見ると、フェイトの言葉に困ったような表情を浮かべているが、どこか楽しそうに見えた────────。
 
      ◇
 
「なぁ、フェイトちゃん……朝、言ってた”オモチャ”って……」
 
 席に戻ってきたフェイトに、はやては恐る恐る尋ねる。フェイトはいつもの気怠そうな表情ではやての方に視線を向ける。
 
「……さっきの教育実習の先生の事なん?」
 
「まあ、ね」
 
「随分、仲良さそうやったけど、昔の知り合いやったん?」
 
「……? いいや」
 
 フェイトは、はやてがそんな事を聞いてくる理由が解らないといった感じに、首を傾げながら否定する。
 
「でも、じゃあ、あの先生と一体どこで知りおうたん? 昨日もHR終わったらすぐに帰ってしもうたのに?」
 
「……まぁ、色々とね」
 
 フェイトの気まずそうな表情から、昨日の内にあの先生と何かあったようだ。
 しかし、フェイトにとっては都合の悪い事実が含まれているようで、語る言葉は少なく、歯切れが悪い。
 
「へぇ~……何なんやろ、気になるなぁ~?」
 
 はやては内心では焦りつつも、それを表に見せないように笑顔を繕う。
 一方のフェイトは、そういうことか、と何か納得した表情に変わる。
 
(……フェイトちゃん、多分それは思い違いやで)
 
 おそらくフェイトは新たな弄りネタにされると思ったのだろう。フェイトの「はやてには関係ない」という言葉を聞きながら、はやては静かに心が沈んでいくのを感じていた。
 
「そんなツレないこと言わんと、教えてぇなぁ~」
 
「……ふん、別にはやてにそこまで言う理由なんてないしっ!」
 
 今日は、随分とフェイトの言葉が痛い────それでもはやては、いつものように振舞おうと平然を装い、会話を続ける。
 
「……それにしても、フェイトちゃんのさっきの顔は、今まで見たことないほどの笑顔やったねぇ~、ホンマちょっと妬けてしまうわ」
 
 今、上手く笑顔を作れているのだろうか、はやてはそんな事を考えながら掠れた声で会話を続ける。冗談交じりの自分の声は、まるで他の人が話しているように遠くから聞こえてくる。
 フェイトの顔を見ると、先程の自分が今更恥ずかしくなってきたようで、耳まで真っ赤にして俯いていた────。
 
 
     ◆◇◆
 
 ────高町なのは先生……昨日から教育実習として、この中学校に来た先生……そして、私の想い人の心を一瞬にして奪った人。
 
 昼休み前の体育の授業で、はやては体育館の床に体操座りで座って、ジャージ姿のなのは先生を見ている。
 なのは先生は、小柄の割に体育会系のようで、生徒に混じってバスケットコートを縦横無尽に駆け回っている。朝の出来事さえなければきっと、はやてはなのは先生を素直にカッコいいと思えたに違いない。
 しかし、今のはやてには、彼女の雄姿を見る度に自分との差を思い知らされて、ただただ落ち込んでいく材料でしかなかった。
 
「はーい、じゃあ次はBチームとCチームでミニゲームね! AチームとDチームはその間休憩!」
 
 試合終了を告げるブザーが鳴ると、なのは先生は大声で生徒たちに次の指示を送る。そして、他の生徒と同様になのは先生もコートから出ていく。
 審判とスコアボードはちゃんと担当決めてね、という指示を先生が言い終わる前に、はやては彼女の前に立っていた。
 
「? ……どうしたの、八神さん?」
 
「……はやて、で良いですよ、先生。ウチも先生の事、なのは先生って呼んでいいですか?」
 
 はやての言葉に、一瞬ぱちくりと目を丸くしたなのは先生だったが、すぐに人懐っこい笑顔に変わって、
 
「うん、もちろんいいよ! よろしくね、はやてちゃん♪」
 
 と、その笑顔にぴったりの弾んだ声が返ってきた。
 その笑顔を見て、可愛い人やなぁと、率直に思った。フェイトも同じことを思ったのだろうか、そう考えるとまた少し気分が沈んでしまった。
 
「それで、どうしたの、はやてちゃん? もしかして体調悪い?」
 
 心配そうな表情で問いかけられて、はやては大きく首を横に振る。
 
「ちゃうんです、なのは先生。……ちょっと、先生とお話がしたかっただけなんです」
 
 それを聞いて安心したのか、なのは先生の表情は再び先程の笑顔に戻る。
 
「いいよ、いいよ~何でも聞いて♪」
 
 なのは先生の顔を見ながら話せそうにないと思ったはやては、体育館の壁に寄り掛かるとコートの様子を眺めるような体勢をとる。なのは先生もそれに倣って、壁を背にしてはやての隣に立つ。
 
「先生は、今好きな人とかって居るんですか?」
 
「お! コイバナかぁ~……うーん、今は居ないかなぁ~」
 
「……そうですか」
 
「なぁに? はやてちゃんは、気になる人でも居るの?」
 
 先生の質問に、はやてはゆっくりと首を横に振る。
 
「ウチやないんです……友達、なんですけど、好きな人が居て、ずっと頑張ってきてたんですけど、最近その好きな人が別の人を好きになったみたいで……」
 
 友達の話と言いつつも、自身の状況を説明していくはやてだが、口にすればする程に、今の自分が惨めに思えてきて、最後まで話せなくなる。
 
「……そっか、でもさ、その子には諦めずに頑張って欲しいなぁ~」
 
「え?」
 
 先生の言葉に驚いて、はやてが隣を見ると、先生の大きな瞳に見つめられていて、思わず息が詰まる。
 
「どんな結果になるか分からないけど、きっと自分の気持ちはちゃんと相手に届けないとダメだと思うんだ、私は」
 
 なんて無責任な言葉なんだ、と一瞬思ったが、その瞳から先生の真剣な気持ちが伝わってくる。
 
「そんな事言うても、その結果ダメやったら、その子は傷つくだけじゃないですか!」
 
「でも、何も伝えなかったら、その子のその綺麗な気持ちは、どこにも行けなくなっちゃう……それは、とても悲しいよ」
 
 そう言う先生の瞳は、とても綺麗に透き通っていて、真っ直ぐに見つめられると、吸い込まれそうになる。
 
「……だから、はやてちゃんは、その子がどんな結果になっても、ちゃんと受け止めてあげるんだよ」
 
 そう優しい声で紡がれた言葉は、はやての心に深く沁みこんでいく。
 嫌な先生だったら良かったのに、そう思うはやてだったが、向けられた笑顔の優しさに、行き場のない感情が積もっていく。はやては、「そうですね」と呟いて笑顔を作るのが精一杯だった。
 視線をコートに戻すと、生徒たちが一生懸命ボールを追いかけている。彼女達の飛び散る汗は、陽の光に反射して、キラキラと輝いて見えた。
 
(スポーツができて、優しくて、格好良くて、可愛くもあって……何もかんも、敵わんけど……でも、負けたくない!)
 
 コートの様子をぼんやりと眺めながら、はやては諦めきれない気持ちと共に、誓う。
 その瞳はとても力強く輝いていた────。
 
 
(つづく?)
 
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テーマ : 魔法少女リリカルなのは
ジャンル : アニメ・コミック

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Author:タイヤキ
サークル「前に詰めて下さい」のページです。
『魔法少女リリカルなのは』と『プリキュア』ネタが多いです。

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こじょ :表紙・挿絵担当
てんぷら:ドット絵、その他

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