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【遊園地デート】

どうも、SS担当タイヤキです。

すっかり忘れていたのですが、去年プリキュアまつりDX3にて
配布させて頂いた無料コピー本を掲載します!

過去にイベントで手にして頂いた方もいらしゃるとは思いますが
関西イベントでしたし、まだ見られたことない方もいらっしゃるのかな、と。
再配布予定もありませんので、少し(?)遅くなりましたが掲載させて頂きやすm(_ _)m

内容は、ふたりはプリキュアSplash☆starの咲舞です。
高校生になった二人が初めて遊園地でデートすることになって……という感じです。

では、以下からどうぞ(※百合注意)
----------------------------------------------------
【遊園地デート】
 
     ◆◇◆
 
「あ~、今日楽しかったぁ~!!」
 
 咲は背もたれにもたれながら大きく背伸びをした。
 観覧車から見下ろす街は、夕日に照らされて綺麗な茜色に染まっている。

「ほんと、咲ったらあっちこっち行っちゃうから大変だったわ」

 向かい側に座っている舞は、その口ぶりとは裏腹に、穏やかな笑顔を咲に向けている。「でも、楽しかったでしょ?」と問えば、満足気な笑顔で「ええ」と頷いてくれた。
 
 ────二人だけで遊園地に来たのは、今日が初めてだった。
 高校に上がる直前に付き合い始めたのだが、入学当初はお互いに新生活に慣れる事に必死で、気づけばデートらしいデートも無いまま五月に突入していた。
 このままではいけないと一念発起した咲は、今まで行ったことが無い所へ行こうと舞に持ちかけた所、遊園地が良いと舞に提案されたのだった。
 
「ねぇ、舞」
 
「なあに、咲?」
 
「そっちに行っていい?」
 
「え? でも、バランスが……あ、ちょっと咲……きゃあ!? もー、強引なんだから……」
 
 最初から舞の返答を聞く気がない咲は、言うだけ言うと舞の隣に座ってきた。その際、観覧車が大きく揺れはしたものの、落ちることもなく、すこし斜めに傾いて止まった。舞は観覧車が揺れたことに本当に驚いたようで、隣に座った咲をジト目で睨みつけている。
 そんな事お構いなしに咲がキュッと手を握ると、舞は困った子供を見ている母親のような笑顔に変わる。そのまま手を絡ませていくと、どんどん頬が朱に染まっていく。咲はこの時の舞の表情が好きだった。
 “恋人繋ぎ”という名前は高校に上がってから知った。プリキュアになってから、舞とはいつもしていた手の繋ぎ方……相手の指と自分の指を絡ませるこの握り方は、お互いの気持ちが繋がっている気がして、初めてその名前を聞いた時に、すごく納得した事を覚えている。
 ぎゅっと握ると、同じぐらいの力で握り返してくれる舞。それが嬉しくて、咲はその度に自然とだらしなくにやけた面なってしまう。こんなだらしない表情ばかり見せていては、いつか彼女に幻滅されるのではと思ってはいるものの、体は正直なもので、毎回間抜けな顔を晒してしまう。

「……ホント、咲は強引なんだから」

「にへへ~♪」

「でも、そんな所も好きよ……」

 突然の告白に、ドキッと胸が高鳴る。
 舞は大人しそうな見た目とは裏腹に、結構思った事を口に出すタイプで、だからこういう事も平然と口にしてくる。
 
(でも、だからこそ単純な私と相性いいのかも)
 
 なんて少し己惚れてみる。
 
「ね、舞! キスしていい?」
 
 だからこれも単純な私だから仕方ないよね、と心の片隅で思いながら咲は舞を見つめる。

「えええええええ!?」

 一方の舞は相当驚いているご様子だ。無理もない……でも、そんなに驚かれてしまうと、私とのキスは嫌なのか、と疑ってしまいそうになる。

「……そんなに驚かなくてもいいじゃん! 私とキスするの嫌?」

 ……思っていた事がそのまま言葉になってしまった、と咲は自分の発言を少し反省する。しかしもう後には引けないのだ。

「い、嫌とか、そういう事じゃなくて……」

「じゃあ、良いじゃん!」

「だって、ここ外だし……誰かに見られたら……」

 そういってモジモジとしている舞、可愛い……じゃなかった。ここは地上から数十メートル上の観覧車の中なのだ、誰かに見られることなどありはしない。

「……舞……観覧車の中なんだから、誰かに見られる心配なんてないじゃん……やっぱり、私とキスしたくないんだ……」

 とワザとしょげたフリ。恐らく気が動転して意味不明な言い訳をしているだけに違いない、と咲は確信していた。
 咲の予想通り、舞は咲の指摘に“そうだった”と言わんばかりに驚いた顔をする。

「ま、待って、咲……咲とキスしたくない訳じゃないけど、その……私初めてで、心の準備が……」

 キスしたくない訳じゃない、それってキスしたいって事だよね、と咲は頭の中で自分の都合の良いように舞の言葉を解釈する。それに初めてなのはお互い様だから、何も気にする必要はないように思う。

「そんなの、私だって初めてだよ、でも大丈夫♪」

「咲…………」
 
(観覧車から差し込む夕日もロマンチックだし、ここしかないでしょ!)
 
「舞!!」
 
 咲はガシッと舞の両肩を掴むと、ぐいっと正面を向かせる。
 舞は小さく悲鳴を上げると、慌てた様子で目を泳がせていたが、一つ深呼吸をすると覚悟を決めたように静かに目を閉じて、顔を少しだけ突き出す。
 その時の舞の表情は、今まで見たことがない程可愛くて、咲は思わず見惚れてしまった。
 顔を近づけていく度に、心臓は耳から飛び出してきそうな程、喧(やかま)しく鳴り響き、舞の肩を掴んでいる手に滲む汗がひどくなってくる。
 
 ──あと十センチ。
 舞の唇と自分の唇の距離に比例するように、胸の鼓動は増々喧しく騒ぎ立ててくる。
 ──あと一センチ。
 もう心臓が口から飛び出しそうな程、緊張しているのが自分でも分かった。しかし、だからといってここで止めるつもりは全くないし、止めることなんて出来なかった。
 
「……んっ」

 互いの唇が触れた瞬間、舞から甘い吐息が零れる。

(うわー!! 舞の唇、プルンプルンして柔らか~い♪ それに何だかいい匂いするし、何だろう……すごく気持ちいい…………)

 咲はキスした瞬間、全身を駆け巡る快感に打ち震えた。今までに感じた事がない快楽をもっと味わいたいとばかりに、咲は自分の唇をさらに舞に押し付ける。その度に、舞の吐息が零れる。
 舞の甘美な吐息が咲の鼻にかかる度に、興奮が体中を駆け巡って何も考えられなくなってくる。
 もっと、もっと……咲はその本能に突き動かされるように舞をグイグイと押し込んでいき、気づけば舞は観覧車の壁に背中を預ける形になっていた。
それでも足りない咲は、肩に当てていた手を舞の腰に回してギュッと強く抱きしめる。舞はもうすっかり為されるがままで、でも漏れる吐息から舞も気持ちいいのだと言うことが伝わってくる。
 
 このまま行けるところまで……そう思った瞬間────────────
 
「はい、ご苦労様でした!! ゆっくり降りて下さーい!!」

 ガチャっという扉の開く大きな音と、その音に負けない程の大声でスタッフの女性が声をかけてきて、二人は驚きの余り大きく飛び跳ねた。
 スタッフの女性の顔を見ると、にっこりと微笑まれてしまった。どうやら完全に先程までの様子を見られていたようだ。
 舞もそれに気づいたようで、かあっと一瞬で耳まで赤くすると、慌てて外へ飛び出して、スタスタと早足に出口に向かって歩いていってしまった。

「あ、舞!! 待って!!」

 咲は慌てて舞の後を追っていった。



     ◇◆◇

 舞はスタッフにキスシーンを見られていたことが相当恥ずかしかったようで、そのまま遊園地からも出てしまって、最後に予定していたお土産コーナに立ち寄ることが出来なかった。
遊園地の出口を出た直後ぐらいにようやく舞に追いついた咲は、

「ちょっと待ってよ、舞! もう遊園地でちゃうの?」

 彼女の腕を掴んで、そう問いかけるものの、舞はお構いなしにズンズンと歩いて行く。その表情を覗くと、耳先まで真っ赤にしたまま、表情も強張った状態から変わってなかった。恐らく先程の事が、何度も脳内で再生され、その度に恥ずかしくなっているのだろう。
 そう思った咲は、遊園地に戻ることは諦めて、ぴったりと舞の横に並んで歩き始める。
 いつものように手を繋ぐと、ようやく舞は平静を取り戻し始めたようで、少し表情から硬さが取れた。

「……舞、落ち着いた?」

「……やっぱり、あのスタッフの人に私たちがキスしてる所、見られたわよね……?」

「んー……そうかもね、最後あの人と目が合った時に、すっごい笑顔されたし」

「……もう、やっぱり人に見られたじゃない……恥ずかしい」

 咲がそう言うと、舞は少し唇を尖らせて、いじけた様に文句を言う。

「ごめん、ごめん……だって、舞とのキスがあんまりにも気持ち良かったんだもん」

 なんておどけて見せれば、舞の頬がさっと朱に染まる。

「咲のバカ……」

 そういって、ギュッと手を握られてしまっては、もう舞から目を離すことなどできなくなってしまった。

「……舞、また遊園地行こうね♪」

 自分でも驚く程優しい声でそう言うと、「ええ」と舞の口からは淀みない返事が返ってきた。嬉しくなって、舞の肩に自分の肩が当たるぐらいまで体を寄せて、ピタリと肩を並べて歩いて行く。
 目があうだけで、何だか嬉しくてお互いに意味もなく笑い出す。

「…………でも、次は絶対キスしないからね!!」

「ええ~~~」

 でも油断をしていると、突然の死刑宣告。そんなものは認めないと言わんばかりに、咲は盛大に抗議の声を上げる。

「当たり前です!」

「でもさ、そこはほら、雰囲気とか、流れとか……あるじゃん?」

「ダメなものはダメ」

 なんて適当な言葉を並べてみても駄目で、きっと今はいくら説得したところで無駄だろう。どこか別のタイミングを探すしかない、と咲は密かに考える。

「そこを何とか~……」

「ダ~メ♪」

「うぅ~……」

「ふふふ♪」

 クスクスと楽しそうに笑う舞。どうやらすっかりいつもの調子を取り戻したようで、咲はホッと一安心する。それに、口ではダメだと否定しているものの、その様子からそれほど嫌では無かったのかもしれない、と少しだけ下心が顔を覗かせた。
 それを笑顔で誤魔化すと、まるで見透かされたように、舞から肩を寄せてくる。
咲の心臓が少し跳ねると、舞はまた楽しそうにクスクスと笑った。やはり見透かされているようだ。

 その後も他愛もない会話が続いて行く帰り道。二人しっかりと手を繋いで歩いて行く。
伸びる影が、きっとこれからも二人一緒に歩いて行ける、と見守ってくれているように見えた。

(おわり)
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テーマ : プリキュア
ジャンル : アニメ・コミック

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プロフィール

タイヤキ

Author:タイヤキ
サークル「前に詰めて下さい」のページです。
『魔法少女リリカルなのは』と『プリキュア』ネタが多いです。

【メンバ―】
タイヤキ:SS担当
こじょ :表紙・挿絵担当
てんぷら:ドット絵、その他

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