【告知】リリマジ21新刊サンプル
皆さま、ごきげんよう。SS担当タイヤキです。
いよいよ今度の日曜に迫りましたリリマジ!!そこに向けて、一応新刊できましたので告知です。
”一応”と言っている通り、五月の頭にコミ1で出した新刊をリメイクしたものになります←
前回の本は、話の流れは気に入っていたのですが、その仕上がり具合に納得いっていない所があったので、
リリマジまで1ヶ月あるし、このまま出すぐらいなら修正してしまえ!といった流れになりました\(^0^)/
ですので、コミ1の本をお持ちの方は言って頂ければ交換します(汗
では、以下からサンプルになります~(※百合注意)
いよいよ今度の日曜に迫りましたリリマジ!!そこに向けて、一応新刊できましたので告知です。
”一応”と言っている通り、五月の頭にコミ1で出した新刊をリメイクしたものになります←
前回の本は、話の流れは気に入っていたのですが、その仕上がり具合に納得いっていない所があったので、
リリマジまで1ヶ月あるし、このまま出すぐらいなら修正してしまえ!といった流れになりました\(^0^)/
ですので、コミ1の本をお持ちの方は言って頂ければ交換します(汗
では、以下からサンプルになります~(※百合注意)
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【なのはのサンタコスが見たい~リメイク~】
◆◇◆
「……でね、ヴィヴィオってば、『絶対わたしがやる~!』って言って聞かなくて、……ほんと誰に似たんだか」
そう言って、ちらりとこちらに視線を送るなのはに、フェイトは「ほんと、誰に似たんだろうね~」とあえて棒読みで返した。
想定外の答えに、モニターの向こう側のなのはは、不満そうに片側の頬を膨らませ、こちらをじとりと睨んでくる。フェイトはそれをふわりと笑顔で返した。
ここは、次元航行艦船内の一室。
長期任務で遠征に駆り出されることの多いフェイトは、日頃から時間を見つけては、なのはと連絡を取り合うようにしていた。今も、なのはと近況報告という名のおしゃべりを楽しんでいる所だ。
通信用のモニターには、パジャマ姿のなのはが映っており、その隣で、ヴィヴィオが気持ちよさそうに眠っている。その寝顔はまるで天使のように可愛らしく、眺めているだけで一日の疲れが癒されていく。
「ねぇ、フェイトちゃん、そういえばちゃんと毎日ごはん食べてる?」
しばらくヴィヴィオの話をしていた二人だったが、不意に切り替えられた話題に、フェイトはドキリとする。
「うん、ちゃんと食べてるよ」
「ほんと? 嘘ついてもすぐバレるんだからね!」
「ほんとだよ、そんな事で嘘なんかつかないよ」
「ん~……ならいいけど……」
そう言って、尚も心配そうに彼女は眉を寄せてくるなのは。そんな彼女を見て、フェイトは嬉しそうに目を細めた。遠く離れた地で身を案じてくれる人が居るというのは、存外悪い物ではないなと思う。
ただ一方で、つい嘘をついてしまう事に罪悪感を覚え、なんだか複雑な気分になってしまった。
「なのはの方はどう? お仕事で無茶とかしてない?」
気を取り直してフェイトも同じような質問をなのはへと投げかける。なのはの方が無茶をしていることが多いと思っているフェイトとしては、正直自分の事よりも、彼女の方が心配だ。
「うん、今はほとんど事務的な仕事ばかりだし、危ない事はしてないよ。それよりも、私はフェイトちゃんの方が心配だなぁ~……フェイトちゃん、すぐ無茶するし!」
しかし、そんなフェイトの心配は一蹴され、ブーメランのようにその言葉が自身に返ってきて、思わずたじろいでしまった。
「大丈夫だよ」
フェイトはそう言って、取り繕ったような笑みを浮かべる。
しかし、そんな作り笑いなどすぐに見破られ、ますます疑われてしまう。前回の任務で、フェイトは少し無茶をした上に、なのはにその事実を隠そうとしたばかりだったこともあり、今はなのはに最上級の警戒をされている所だった。
「こ、今回は本当に大丈夫だから! ちょっと場所が遠いってだけで、任務自体は窃盗犯の逮捕っていう簡単なものだし、激しい戦闘になるようなことは絶対ないから!」
そう必死に弁明を重ねるフェイト。
「本当かなぁ~……」
一方のなのはは、さらに心配そうな表情に変わり、縋るような瞳をこちらへ遣す。
「本当だって、なのはにも見せたでしょ? 今回の任務内容」
「それは、そうだけど……」
今回の任務については、前回の件の事もあって、事前に任務内容が記載されたレポートをなのはに見せていた。本来なら、いくら親しい仲だとしても、違反行為になりかねないのだが、続けて任務にいかなければ行けなくなったとなのはに伝えた時に、『危ない任務だったら、絶対にフェイトちゃんを行かせない!』と、上層部に直談判をすると言い出したので、特例として任務の詳細をなのはに伝えることを許可してもらったのだ。
そんな背景もあって、誤魔化しのきかない正式な情報で、任務の内容をきちんと伝えているので、なのははその安全性を十分に理解しているはずなのだ。それでもなお、こうして食い下がるのは、本当に心配だからなのか、それとも単にフェイトが頼りないからなのか……。後者だとすると、フェイトとしては少し残念な心境ではある。
「…………だって、フェイトちゃん、前の任務が片付いてすぐ今の任務になっちゃったじゃない? いつもなら長期任務の後は少し時間があるのにそれもないし、前の任務で無茶してたばかりだし……」
そう言って、口を尖らせるなのはを見て、フェイトはふとあることが脳裏を過る。
「……もしかしてなのは、寂しいの?」
何の根拠もなくそう言うと、なのはの顔がみるみる紅潮していった。どうやらフェイトの直感は当たっていたようだ。
「……もう、こういう時ばっかり鋭いんだから……」
「ん? 何か言った?」
「何でもない!」
プイッとそっぽを向くなのはを見て、フェイトは思わず吹き出す。
「な、何で笑うのー?」
「ごめん、ごめん、なのは♪」
ぷーっと頬を大きく膨らませる彼女を見て、フェイトは頬を綻ばせた。家族にしか見せない顔というものがあるとしたら、きっとこの顔はその中の一つに違いない。
(サンプル品では、省略)
――――約三ヶ月。
ミッドチルダを発って、すでにそれだけの時間が経過していた。辺境の地で、フェイトは犯人が尻尾を出すのをじっと待ち続けているのだ。その間にも高町家的には、クリスマスやお正月といったイベントがあって、なのはやヴィヴィオは皆を呼んで楽しんでいたようだ。その時の二人の笑顔を想像しながら、フェイトは早く二人に会いたいと強く、強く思う。
しかし、それも明日までだ。
実は犯人からの犯行予告がつい数時間前に届き、先程まで予告を受け取った者に話を聞きに行っていたのだ。長かった遠征もこれでようやく片が付くだろう。
フェイトは、ぼんやりと窓の外を眺めながら、過ぎ去ったクリスマスのことを想像する。きっとなのはとヴィヴィオのターキーを頬張る姿は愛らしかっただろうなと、そんな事を思いながら、フェイトは頬を綻ばせるのだった。
[newpage]
◇◆◇
「これが、今回狙われている品ですか?」
「はい、古代ベルカの時代に使用されていたと云われているロストロギアです。管理局へ申請し、この博物館で展示させて頂いております」
歳は六十ぐらいだろうか、白髪が少し混じる髪を綺麗にそろえた館長がフェイトの質問に答えながら、今回ターゲットになっている品物を指で示す。ガラスケースの中には、直径二十センチメートル程の球体が鎮座している。球体色は黒だが、滑らかな表面は、オパールを連想させた。球体の隣には、説明パネルが設置されていて、その物体の言い伝えが書かれていた。その説明文によると、この球体は、強力なモンスターを生み出すことが出来るらしく、古代ベルカ時代には、この能力で数々の戦果を挙げてきたと記されていた。
「このロストロギア、今は動いていないんですよね?」
「はい、そのようです。管理局の方がおっしゃるには、これはすでに壊れているそうで、何をしても起動することはないだろうとのことでした。文献によると、このアイテムは本来鮮やかなサファイア色をしていたようです」
「なるほど、それでこの球体の名前がブルーパールと言うのですか…………でもどうして、この博物館に?」
「はい、このロストロギアは、この星で生み出されたという説が有力で、それを知った私の祖父が博物館を経営する際に、目玉の一つとして用意したいと、管理局に申請をしたのだそうです……その時は色々と揉めたようですが、まぁ動かないからということで、管理局の許可がおりたのだと、以前父から聞いたことがあります」
「お父さんから、ですか? ではこの博物館は家族経営なのですか?」
「ええ、祖父が立ち上げて、私で三代目になります。私は元々公務員だったのですが、父が亡くなった時に、仕事を辞めてこの博物館を引き継いだのです。幼少期よりここで過ごしてきただけに、思い入れも多少ありまして、閉館させたく無かったんです」
そう言って、昔を懐かしむように目を細める館長に、フェイトは軽く胸を打たれた。お客は多いとは言えないが、アットホームで良い雰囲気のこの博物館には、きっと色々な思い出があるのだろう。
「そうでしたか……因みに、犯人からの犯行予告状は?」
フェイトはもう少し雑談をしていたい気持ちを抑え、次の要件に移る。
「はい、これです」
差し出された封筒を受け取ると、念入りに封筒の表と裏を何度も凝視する。どこにでもある白い封筒には、特に魔法が使われた形跡はなく、簡素なシールで封をしているだけだ。封筒の端に“ジェニー”と書かれている以外に目に付く所もない。
封を開くと、そこには外見と同じく簡素な文面が記されていた。
――――ブルーパールを四月二十三日に頂く。
たった一文、しかもご丁寧に日付まで指定してくれていた。
「あの、随分とシンプルな犯行予告ですが、いたずらということはありませんか?」
「それはありません」
随分ときっぱりと答える館長に、フェイトは小首を傾げる。
「実はこのジェニーという男の予告状には、誰にも真似できない技術が使われておりまして、――――こうして、紙に穴を開けると」
そう言って、館長は人差し指で紙の端に穴を開ける。すると、紙が意思でも持っているかのようにうねり始め、穴の開いた部分をみるみる内に塞いでいく。
「……どういう訳か、この通り、元に戻るのです」
すっかり元通りに戻った予告状を見せられ、フェイトは驚きのあまり大きく目を見開いた。自己修復している間も魔力を感じなかったので、恐らく科学技術を利用したものなのだろうが、専門の人間でなければ、どのような技術を使っているかなど分からないだろう。犯行の予告状にしては随分と高価な素材を使用していると言っていい。
「なるほど、確かに悪戯でここまでは出来ないですね……でも、よく御存じですね」
「まぁ、この近辺では“怪盗ジェニー”という名は有名ですからね、よくテレビにも取り上げられているのです。因みに、この紙の話もテレビで取り上げられていて、誰でも知っている事なのですよ」
「はぁ……テレビ、ですか……それはまぁ、何と言うか」
フェイトは歯切れ悪くそう言うと、頬を掻く。まるで、犯罪者ではなく、ある種のスターみたいな存在だな、と不謹慎な事を考えてしまう。
「人が殺されるわけでもなく、また盗むときの手際がとても派手なので、メディアとしても格好のターゲットなのだと思います。……まあ、それだけこの辺りは平和ってことですよ」
まるでフェイトの考えを読んだかのように、館長はそう言うと二カッと笑う。フェイトは館長の言葉を聞いて、気の抜けたようなため息をついた。
とはいえ、犯罪者は犯罪者なので逮捕しないといけない訳で、今まで何人か管理局から人を送っているにも関わらず、悉く犯人に逃げられているのだから、少なくとも逃げ足だけは警戒が必要ということになるだろう。だからフェイトが呼ばれたわけなのだが、どことなく緊張感のない館長を見ていると、無理に捕まえなくてもいいのではないかと思えてしまう。
「……まあでも、予告状には今日奪いに来ると書かれている以上、見過ごすわけにもいきません」
「はい、それはそれ、これはこれ、ですね」
「まあそういう事です。すみません、この博物館の警備について、確認したいので、フロアマネージャーの方を呼んでいただけないでしょうか」
「はい、分かりました。すぐお呼びします」
そう言って、館長は急ぎ足でその場を立ち去って行った。フェイトはどこか気の乗らない思いを胸に抱きつつ、立ちゆく背中をみつめるのだった。
◇
フロアマネージャーとの打ち合わせも無事に終わり、管理局員の配置も完了した午後七時。
フェイトはブルーパールが飾られているケースの側で、ぼんやりと窓の外を眺めていた。窓からは満月が覗いていて、ちょうど月光がブルーパールに降り注ぐ構造になっている。これも、館長の祖父のこだわりなのだろう。
「――――ハーッハッハッハ!」
静まり返っていた静寂を、突然男の笑い声が掻き破り、物思いに耽っていたフェイトは一気に現実に引き戻される。
声のした方を見ると、そこには真っ赤なマントを身に付け、仮面舞踏会ぐらいでしか使い道のないベネチアンマスクをした男が立っていた。
「あれは、怪盗ジェニー!」
と、館長の叫び声が聞こえてくる。おかげで確認の手間が省けたと、フェイトは内心で呟いた。昼間の穏やかな声とは一変して館長の緊迫した声にフェイトは気を引き締める。
「怪盗ジェニー、私は時空管理局執務官、フェイト・テスタロッサ・ハラオウン。貴方を窃盗の容疑で逮捕します。武装を解除して、大人しくご同行願います。」
凛とした声だけが館内に響き渡る。フェイトは静かに男を見据え相手の出方を窺った。
一方のジェニーは慌てた様子もなく、にやりとワザとらしく大きな笑顔を浮かべているだけだ。
「ククク…………レディース・アーンド・ジェントルメン!」
すると突然、ジェニーは両腕を上に掲げて叫び始める。
「今宵、また新たなショーを披露いたしましょう! 今、執務官殿の背後にしっかりと守られているあの宝玉を、一歩も動かずに手に入れて見せます!」
「な、何を……?」
「ワン、ツー、スリー!!」
突然のカウント。
たった三つ数えただけ。
しかし、現実にたったそれだけで、ジェニーの手にはしっかりとブルーパールが握られていた。フェイトは、あまりに突然の出来事に、一瞬ではあるが思考が停止してしまった。
「では、皆さま! アディオス♪」
「…………!! 逃がさない」
「Sonic Move」
フェイトはすぐに気を取り直すと、背を向けて立ち去ろうとする怪盗との距離を一瞬にして詰める。
「かかった♪」
あと一歩で手が届くという所で、突然床がまばゆく輝き出す。一瞬見えたジェニーの顔は、嫌というほど口端が吊り上がっていた。
「――――バイバイ、執務官殿♪」
フェイトは、床に仕込まれた転移魔法の光に瞬く間に飲み込まれ、そして次の瞬間には、その姿を消してしまった。
[newpage]
◇◆◇
ソレは、突然の出来事だった。
フェイトは、館長とジェニーをヘリに乗せ、一緒に移動を始めた所だった。博物館を後にして、少し気が緩んで小さく息を吐いた、その瞬間。
ドオン――――。
博物館の方から爆発音が聞こえてきた。はるか上空を飛んでいるハズのヘリに、ずんという衝撃が伝わってくる。
フェイトは、慌ててヘリから下を見下ろすと、博物館の至る所から黒煙が立ち上っていて目を剥いた。再びドオンという爆発音が響きわたり、爆炎が窓から吹き出している様子に、ただの火事ではないと直感した。
「ヘリは、そのまま二人を護送。私は、下の様子を見てくる!」
フェイトは近くにいる局員へそう告げると、ハッチを開いて飛び降りた。
「――バルディッシュ」
「Yes, sir. Get set」
飛び降りながら、フェイトはバルディッシュを呼ぶと、阿吽の呼吸でバルディッシュはその形態を斧へと変化させる。そして、三度目の爆発に巻き込まれないように回避しながら、フェイトは博物館の入口に戻ってきた。
「一体何が……?」
博物館の入口は中に入る事を許さないとばかりに、炎の壁が立ち塞がっている。フェイトは、別の入口がないか周囲を見渡したが、どうやら窓を破って侵入するしかないと結論付けた。
けれど、フェイトが中に入ろうとした瞬間、突如として館内の窓を破って飛び出てきたいくつもの影に、フェイトは目を奪われた。
「あれは…………ドラゴン? しかもこの数……」
空を飛ぶ数十のドラゴンを見て、フェイトは絶句した。いくら身近にドラゴンを操る少女がいるとはいえ、この数は尋常ではなかった。
さらに困ったことに、今この場にドラゴンに対処できる程の魔導師はフェイトしかいなかった。今回、管理局のメンバーは、おもに艦船の操縦と事務要員で、戦闘要員はフェイト一人だけだ。もともと戦闘になることを想定していないのだから、このメンバー編成は当然といえば当然だった。
「とにかく、周囲に被害が出ないように、飛び回ってるドラゴンが遠くへ行かないようにしないと……広域結界、展開!」
トンっとバルディッシュの柄で軽く地面を小突くと、そこから紫色の影が一気に広がり、周囲を包みこむ。これで、この結界内の物は簡単にその外へ出ることは出来ない。
ドラゴン達は、突然現れた結界に、不満そうな啼き声を上げる。けれど、彼らはすぐに結界を張った張本人に気付くと、啼くのを止めて、一斉にフェイトを睨んできた。
「近づくドラゴンを躱しつつ、上手く一対一に持ち込んで行こう……行ける、バルディッシュ?」
「Yes, sir」
バルディッシュには、それだけの説明で十分だったようだ。彼は短く返答すると、まるで主の意図を全て理解しているかのように、その姿をハーケンモードへと切り替え、金色の鎌をその身に宿す。
「ゲギャギャギャ!」
フェイトがバルディッシュを構えると同時に、一頭の竜が威嚇するように啼きながら、こちらへと急下降してきた。
フェイトはギリギリまでそのドラゴンを引きつけると、するりとその爪を躱して上空へと飛び立つ。フェイトを襲ったドラゴンは想定外の事態に、その身を地面に叩きつけられるような形になってしまった。
「ゲギャギャギャ!」
その様子を見ていた他のドラゴン達は、フェイトを完全に敵と認識したようだ。一頭の竜がけたたましい叫び声を上げ始めると、その声に呼応するように、その周囲にいた竜たちが叫び始める。次第に叫び声は拡散していき、まるで山彦のように周囲の空間を叫び声が埋め尽くす。皮膚がビリビリと振動するほどの迫力に、フェイトはぎゅっとバルディッシュを強く握りしめた。
開始の合図なんてものはなくない、戦闘は唐突に開始された。
フェイトは先手必勝とばかりに、周囲を飛び交うドラゴン達の隙間を縫うように高速で移動しながら、フォトンランサーとバインドを使って、上手く敵を攪乱していく。
飛び回っている内に、ドラゴン達の中に一頭だけ孤立する者が出てくる。
「まずは一頭!」
フェイトは、孤立した竜を見つけると、一気に距離を詰め、思いっきりバルディッシュを振り下ろした。
「ギャアアアア…………」
非殺傷設定にしているとはいえ、金色の刃を受けたドラゴンは絶叫しながら、力尽きて地面へと落ちていく。フェイトはドラゴンが地面に叩きつけられる前にバインドで空中に縛りつけ拘束する。
「さぁ、次!」
背後から襲って来るドラゴンをひらりと躱し、フェイトは再び竜たちを攪乱するように飛び回り始めた。
(サンプルはここまで)
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【なのはのサンタコスが見たい~リメイク~】
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「……でね、ヴィヴィオってば、『絶対わたしがやる~!』って言って聞かなくて、……ほんと誰に似たんだか」
そう言って、ちらりとこちらに視線を送るなのはに、フェイトは「ほんと、誰に似たんだろうね~」とあえて棒読みで返した。
想定外の答えに、モニターの向こう側のなのはは、不満そうに片側の頬を膨らませ、こちらをじとりと睨んでくる。フェイトはそれをふわりと笑顔で返した。
ここは、次元航行艦船内の一室。
長期任務で遠征に駆り出されることの多いフェイトは、日頃から時間を見つけては、なのはと連絡を取り合うようにしていた。今も、なのはと近況報告という名のおしゃべりを楽しんでいる所だ。
通信用のモニターには、パジャマ姿のなのはが映っており、その隣で、ヴィヴィオが気持ちよさそうに眠っている。その寝顔はまるで天使のように可愛らしく、眺めているだけで一日の疲れが癒されていく。
「ねぇ、フェイトちゃん、そういえばちゃんと毎日ごはん食べてる?」
しばらくヴィヴィオの話をしていた二人だったが、不意に切り替えられた話題に、フェイトはドキリとする。
「うん、ちゃんと食べてるよ」
「ほんと? 嘘ついてもすぐバレるんだからね!」
「ほんとだよ、そんな事で嘘なんかつかないよ」
「ん~……ならいいけど……」
そう言って、尚も心配そうに彼女は眉を寄せてくるなのは。そんな彼女を見て、フェイトは嬉しそうに目を細めた。遠く離れた地で身を案じてくれる人が居るというのは、存外悪い物ではないなと思う。
ただ一方で、つい嘘をついてしまう事に罪悪感を覚え、なんだか複雑な気分になってしまった。
「なのはの方はどう? お仕事で無茶とかしてない?」
気を取り直してフェイトも同じような質問をなのはへと投げかける。なのはの方が無茶をしていることが多いと思っているフェイトとしては、正直自分の事よりも、彼女の方が心配だ。
「うん、今はほとんど事務的な仕事ばかりだし、危ない事はしてないよ。それよりも、私はフェイトちゃんの方が心配だなぁ~……フェイトちゃん、すぐ無茶するし!」
しかし、そんなフェイトの心配は一蹴され、ブーメランのようにその言葉が自身に返ってきて、思わずたじろいでしまった。
「大丈夫だよ」
フェイトはそう言って、取り繕ったような笑みを浮かべる。
しかし、そんな作り笑いなどすぐに見破られ、ますます疑われてしまう。前回の任務で、フェイトは少し無茶をした上に、なのはにその事実を隠そうとしたばかりだったこともあり、今はなのはに最上級の警戒をされている所だった。
「こ、今回は本当に大丈夫だから! ちょっと場所が遠いってだけで、任務自体は窃盗犯の逮捕っていう簡単なものだし、激しい戦闘になるようなことは絶対ないから!」
そう必死に弁明を重ねるフェイト。
「本当かなぁ~……」
一方のなのはは、さらに心配そうな表情に変わり、縋るような瞳をこちらへ遣す。
「本当だって、なのはにも見せたでしょ? 今回の任務内容」
「それは、そうだけど……」
今回の任務については、前回の件の事もあって、事前に任務内容が記載されたレポートをなのはに見せていた。本来なら、いくら親しい仲だとしても、違反行為になりかねないのだが、続けて任務にいかなければ行けなくなったとなのはに伝えた時に、『危ない任務だったら、絶対にフェイトちゃんを行かせない!』と、上層部に直談判をすると言い出したので、特例として任務の詳細をなのはに伝えることを許可してもらったのだ。
そんな背景もあって、誤魔化しのきかない正式な情報で、任務の内容をきちんと伝えているので、なのははその安全性を十分に理解しているはずなのだ。それでもなお、こうして食い下がるのは、本当に心配だからなのか、それとも単にフェイトが頼りないからなのか……。後者だとすると、フェイトとしては少し残念な心境ではある。
「…………だって、フェイトちゃん、前の任務が片付いてすぐ今の任務になっちゃったじゃない? いつもなら長期任務の後は少し時間があるのにそれもないし、前の任務で無茶してたばかりだし……」
そう言って、口を尖らせるなのはを見て、フェイトはふとあることが脳裏を過る。
「……もしかしてなのは、寂しいの?」
何の根拠もなくそう言うと、なのはの顔がみるみる紅潮していった。どうやらフェイトの直感は当たっていたようだ。
「……もう、こういう時ばっかり鋭いんだから……」
「ん? 何か言った?」
「何でもない!」
プイッとそっぽを向くなのはを見て、フェイトは思わず吹き出す。
「な、何で笑うのー?」
「ごめん、ごめん、なのは♪」
ぷーっと頬を大きく膨らませる彼女を見て、フェイトは頬を綻ばせた。家族にしか見せない顔というものがあるとしたら、きっとこの顔はその中の一つに違いない。
(サンプル品では、省略)
――――約三ヶ月。
ミッドチルダを発って、すでにそれだけの時間が経過していた。辺境の地で、フェイトは犯人が尻尾を出すのをじっと待ち続けているのだ。その間にも高町家的には、クリスマスやお正月といったイベントがあって、なのはやヴィヴィオは皆を呼んで楽しんでいたようだ。その時の二人の笑顔を想像しながら、フェイトは早く二人に会いたいと強く、強く思う。
しかし、それも明日までだ。
実は犯人からの犯行予告がつい数時間前に届き、先程まで予告を受け取った者に話を聞きに行っていたのだ。長かった遠征もこれでようやく片が付くだろう。
フェイトは、ぼんやりと窓の外を眺めながら、過ぎ去ったクリスマスのことを想像する。きっとなのはとヴィヴィオのターキーを頬張る姿は愛らしかっただろうなと、そんな事を思いながら、フェイトは頬を綻ばせるのだった。
[newpage]
◇◆◇
「これが、今回狙われている品ですか?」
「はい、古代ベルカの時代に使用されていたと云われているロストロギアです。管理局へ申請し、この博物館で展示させて頂いております」
歳は六十ぐらいだろうか、白髪が少し混じる髪を綺麗にそろえた館長がフェイトの質問に答えながら、今回ターゲットになっている品物を指で示す。ガラスケースの中には、直径二十センチメートル程の球体が鎮座している。球体色は黒だが、滑らかな表面は、オパールを連想させた。球体の隣には、説明パネルが設置されていて、その物体の言い伝えが書かれていた。その説明文によると、この球体は、強力なモンスターを生み出すことが出来るらしく、古代ベルカ時代には、この能力で数々の戦果を挙げてきたと記されていた。
「このロストロギア、今は動いていないんですよね?」
「はい、そのようです。管理局の方がおっしゃるには、これはすでに壊れているそうで、何をしても起動することはないだろうとのことでした。文献によると、このアイテムは本来鮮やかなサファイア色をしていたようです」
「なるほど、それでこの球体の名前がブルーパールと言うのですか…………でもどうして、この博物館に?」
「はい、このロストロギアは、この星で生み出されたという説が有力で、それを知った私の祖父が博物館を経営する際に、目玉の一つとして用意したいと、管理局に申請をしたのだそうです……その時は色々と揉めたようですが、まぁ動かないからということで、管理局の許可がおりたのだと、以前父から聞いたことがあります」
「お父さんから、ですか? ではこの博物館は家族経営なのですか?」
「ええ、祖父が立ち上げて、私で三代目になります。私は元々公務員だったのですが、父が亡くなった時に、仕事を辞めてこの博物館を引き継いだのです。幼少期よりここで過ごしてきただけに、思い入れも多少ありまして、閉館させたく無かったんです」
そう言って、昔を懐かしむように目を細める館長に、フェイトは軽く胸を打たれた。お客は多いとは言えないが、アットホームで良い雰囲気のこの博物館には、きっと色々な思い出があるのだろう。
「そうでしたか……因みに、犯人からの犯行予告状は?」
フェイトはもう少し雑談をしていたい気持ちを抑え、次の要件に移る。
「はい、これです」
差し出された封筒を受け取ると、念入りに封筒の表と裏を何度も凝視する。どこにでもある白い封筒には、特に魔法が使われた形跡はなく、簡素なシールで封をしているだけだ。封筒の端に“ジェニー”と書かれている以外に目に付く所もない。
封を開くと、そこには外見と同じく簡素な文面が記されていた。
――――ブルーパールを四月二十三日に頂く。
たった一文、しかもご丁寧に日付まで指定してくれていた。
「あの、随分とシンプルな犯行予告ですが、いたずらということはありませんか?」
「それはありません」
随分ときっぱりと答える館長に、フェイトは小首を傾げる。
「実はこのジェニーという男の予告状には、誰にも真似できない技術が使われておりまして、――――こうして、紙に穴を開けると」
そう言って、館長は人差し指で紙の端に穴を開ける。すると、紙が意思でも持っているかのようにうねり始め、穴の開いた部分をみるみる内に塞いでいく。
「……どういう訳か、この通り、元に戻るのです」
すっかり元通りに戻った予告状を見せられ、フェイトは驚きのあまり大きく目を見開いた。自己修復している間も魔力を感じなかったので、恐らく科学技術を利用したものなのだろうが、専門の人間でなければ、どのような技術を使っているかなど分からないだろう。犯行の予告状にしては随分と高価な素材を使用していると言っていい。
「なるほど、確かに悪戯でここまでは出来ないですね……でも、よく御存じですね」
「まぁ、この近辺では“怪盗ジェニー”という名は有名ですからね、よくテレビにも取り上げられているのです。因みに、この紙の話もテレビで取り上げられていて、誰でも知っている事なのですよ」
「はぁ……テレビ、ですか……それはまぁ、何と言うか」
フェイトは歯切れ悪くそう言うと、頬を掻く。まるで、犯罪者ではなく、ある種のスターみたいな存在だな、と不謹慎な事を考えてしまう。
「人が殺されるわけでもなく、また盗むときの手際がとても派手なので、メディアとしても格好のターゲットなのだと思います。……まあ、それだけこの辺りは平和ってことですよ」
まるでフェイトの考えを読んだかのように、館長はそう言うと二カッと笑う。フェイトは館長の言葉を聞いて、気の抜けたようなため息をついた。
とはいえ、犯罪者は犯罪者なので逮捕しないといけない訳で、今まで何人か管理局から人を送っているにも関わらず、悉く犯人に逃げられているのだから、少なくとも逃げ足だけは警戒が必要ということになるだろう。だからフェイトが呼ばれたわけなのだが、どことなく緊張感のない館長を見ていると、無理に捕まえなくてもいいのではないかと思えてしまう。
「……まあでも、予告状には今日奪いに来ると書かれている以上、見過ごすわけにもいきません」
「はい、それはそれ、これはこれ、ですね」
「まあそういう事です。すみません、この博物館の警備について、確認したいので、フロアマネージャーの方を呼んでいただけないでしょうか」
「はい、分かりました。すぐお呼びします」
そう言って、館長は急ぎ足でその場を立ち去って行った。フェイトはどこか気の乗らない思いを胸に抱きつつ、立ちゆく背中をみつめるのだった。
◇
フロアマネージャーとの打ち合わせも無事に終わり、管理局員の配置も完了した午後七時。
フェイトはブルーパールが飾られているケースの側で、ぼんやりと窓の外を眺めていた。窓からは満月が覗いていて、ちょうど月光がブルーパールに降り注ぐ構造になっている。これも、館長の祖父のこだわりなのだろう。
「――――ハーッハッハッハ!」
静まり返っていた静寂を、突然男の笑い声が掻き破り、物思いに耽っていたフェイトは一気に現実に引き戻される。
声のした方を見ると、そこには真っ赤なマントを身に付け、仮面舞踏会ぐらいでしか使い道のないベネチアンマスクをした男が立っていた。
「あれは、怪盗ジェニー!」
と、館長の叫び声が聞こえてくる。おかげで確認の手間が省けたと、フェイトは内心で呟いた。昼間の穏やかな声とは一変して館長の緊迫した声にフェイトは気を引き締める。
「怪盗ジェニー、私は時空管理局執務官、フェイト・テスタロッサ・ハラオウン。貴方を窃盗の容疑で逮捕します。武装を解除して、大人しくご同行願います。」
凛とした声だけが館内に響き渡る。フェイトは静かに男を見据え相手の出方を窺った。
一方のジェニーは慌てた様子もなく、にやりとワザとらしく大きな笑顔を浮かべているだけだ。
「ククク…………レディース・アーンド・ジェントルメン!」
すると突然、ジェニーは両腕を上に掲げて叫び始める。
「今宵、また新たなショーを披露いたしましょう! 今、執務官殿の背後にしっかりと守られているあの宝玉を、一歩も動かずに手に入れて見せます!」
「な、何を……?」
「ワン、ツー、スリー!!」
突然のカウント。
たった三つ数えただけ。
しかし、現実にたったそれだけで、ジェニーの手にはしっかりとブルーパールが握られていた。フェイトは、あまりに突然の出来事に、一瞬ではあるが思考が停止してしまった。
「では、皆さま! アディオス♪」
「…………!! 逃がさない」
「Sonic Move」
フェイトはすぐに気を取り直すと、背を向けて立ち去ろうとする怪盗との距離を一瞬にして詰める。
「かかった♪」
あと一歩で手が届くという所で、突然床がまばゆく輝き出す。一瞬見えたジェニーの顔は、嫌というほど口端が吊り上がっていた。
「――――バイバイ、執務官殿♪」
フェイトは、床に仕込まれた転移魔法の光に瞬く間に飲み込まれ、そして次の瞬間には、その姿を消してしまった。
[newpage]
◇◆◇
ソレは、突然の出来事だった。
フェイトは、館長とジェニーをヘリに乗せ、一緒に移動を始めた所だった。博物館を後にして、少し気が緩んで小さく息を吐いた、その瞬間。
ドオン――――。
博物館の方から爆発音が聞こえてきた。はるか上空を飛んでいるハズのヘリに、ずんという衝撃が伝わってくる。
フェイトは、慌ててヘリから下を見下ろすと、博物館の至る所から黒煙が立ち上っていて目を剥いた。再びドオンという爆発音が響きわたり、爆炎が窓から吹き出している様子に、ただの火事ではないと直感した。
「ヘリは、そのまま二人を護送。私は、下の様子を見てくる!」
フェイトは近くにいる局員へそう告げると、ハッチを開いて飛び降りた。
「――バルディッシュ」
「Yes, sir. Get set」
飛び降りながら、フェイトはバルディッシュを呼ぶと、阿吽の呼吸でバルディッシュはその形態を斧へと変化させる。そして、三度目の爆発に巻き込まれないように回避しながら、フェイトは博物館の入口に戻ってきた。
「一体何が……?」
博物館の入口は中に入る事を許さないとばかりに、炎の壁が立ち塞がっている。フェイトは、別の入口がないか周囲を見渡したが、どうやら窓を破って侵入するしかないと結論付けた。
けれど、フェイトが中に入ろうとした瞬間、突如として館内の窓を破って飛び出てきたいくつもの影に、フェイトは目を奪われた。
「あれは…………ドラゴン? しかもこの数……」
空を飛ぶ数十のドラゴンを見て、フェイトは絶句した。いくら身近にドラゴンを操る少女がいるとはいえ、この数は尋常ではなかった。
さらに困ったことに、今この場にドラゴンに対処できる程の魔導師はフェイトしかいなかった。今回、管理局のメンバーは、おもに艦船の操縦と事務要員で、戦闘要員はフェイト一人だけだ。もともと戦闘になることを想定していないのだから、このメンバー編成は当然といえば当然だった。
「とにかく、周囲に被害が出ないように、飛び回ってるドラゴンが遠くへ行かないようにしないと……広域結界、展開!」
トンっとバルディッシュの柄で軽く地面を小突くと、そこから紫色の影が一気に広がり、周囲を包みこむ。これで、この結界内の物は簡単にその外へ出ることは出来ない。
ドラゴン達は、突然現れた結界に、不満そうな啼き声を上げる。けれど、彼らはすぐに結界を張った張本人に気付くと、啼くのを止めて、一斉にフェイトを睨んできた。
「近づくドラゴンを躱しつつ、上手く一対一に持ち込んで行こう……行ける、バルディッシュ?」
「Yes, sir」
バルディッシュには、それだけの説明で十分だったようだ。彼は短く返答すると、まるで主の意図を全て理解しているかのように、その姿をハーケンモードへと切り替え、金色の鎌をその身に宿す。
「ゲギャギャギャ!」
フェイトがバルディッシュを構えると同時に、一頭の竜が威嚇するように啼きながら、こちらへと急下降してきた。
フェイトはギリギリまでそのドラゴンを引きつけると、するりとその爪を躱して上空へと飛び立つ。フェイトを襲ったドラゴンは想定外の事態に、その身を地面に叩きつけられるような形になってしまった。
「ゲギャギャギャ!」
その様子を見ていた他のドラゴン達は、フェイトを完全に敵と認識したようだ。一頭の竜がけたたましい叫び声を上げ始めると、その声に呼応するように、その周囲にいた竜たちが叫び始める。次第に叫び声は拡散していき、まるで山彦のように周囲の空間を叫び声が埋め尽くす。皮膚がビリビリと振動するほどの迫力に、フェイトはぎゅっとバルディッシュを強く握りしめた。
開始の合図なんてものはなくない、戦闘は唐突に開始された。
フェイトは先手必勝とばかりに、周囲を飛び交うドラゴン達の隙間を縫うように高速で移動しながら、フォトンランサーとバインドを使って、上手く敵を攪乱していく。
飛び回っている内に、ドラゴン達の中に一頭だけ孤立する者が出てくる。
「まずは一頭!」
フェイトは、孤立した竜を見つけると、一気に距離を詰め、思いっきりバルディッシュを振り下ろした。
「ギャアアアア…………」
非殺傷設定にしているとはいえ、金色の刃を受けたドラゴンは絶叫しながら、力尽きて地面へと落ちていく。フェイトはドラゴンが地面に叩きつけられる前にバインドで空中に縛りつけ拘束する。
「さぁ、次!」
背後から襲って来るドラゴンをひらりと躱し、フェイトは再び竜たちを攪乱するように飛び回り始めた。
(サンプルはここまで)
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テーマ : 魔法少女リリカルなのは
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