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【惚気】

皆さん、ごきげんよう♪ SS担当タイヤキです!

〆切もなく、自由に書けるって素晴らしいですね!!(謎のハイテンション
嬉しさの余り、気付いたらシンフォギアSSを書いてたっていうね!
個人的にはこのぐらいの文量がちょうど書きやすいですね~♪♪
暫くは原稿ないので、ちょこちょことサイトの方にUpしていきたいなぁ~♪

そんなこんなでシンフォギアSS。
今日が未来さんの誕生日なのに、全然違うネタです。
でも、未来さんの包み込むような母性と、可愛らしい面が書けたと思っているので満足です(ニヤリ

では、以下からどうぞ(※百合注意
----------------------------------------------------
【惚気】
 
     ◇◆◇
 
「うぅぅ……ううっ…………」
 
 ――バシンッ! ドンッ!!
 
 薄暗いジムの中、少女の呻き声とサンドバックを叩く音だけが鳴り響く。
 
 ――バシンッ! ダンッ!!
 
 ――ドスンッ! バスッ!! バシィッ!!!
 
 少女は、まるで獰猛な獣のように奥歯を噛みしめ呻きながらサンドバックを叩き続けている。どのぐらい叩き続けているのか、その拳には血が滲んでいる……。
 
『ねぇ、響さん。私達、あの時のことをずっと謝ろうと思ってて……』
 
 その少女の脳裏に蘇るのは、つい数時間前の出来事。
 珍しく翼のマネージャーである小川に声をかけられ、ついて行った先に、彼女達がいた。
 着ている制服は、彼女達が現在通っている高校のものだろう。中学の頃の制服と色合いが随分と大人っぽい。
 しかし、制服が変わっても、中学当時の面影がきちんと残っているもので、彼女達がすぐに誰だか判ってしまった。
 もうすっかり昔の記憶なんて薄れてしまっていると思っていた響だったが、彼女達を見た瞬間にまるで金縛りにでもあったように体が凍り付いてしまう。小さく震える指先、額に滲む脂汗、まるで呼吸の仕方を忘れた様に息が浅くなる。それでも、辛うじて笑顔だけは作ることができた。
 そんな響の心情などお構いなしに、紡がれる相手からの言葉。
 
『ねぇ、響さん。私達、あの時のことをずっと謝ろうと思ってて……』
 
「うううううううう…………………………」
 
 その言葉と、縋りつくような目を思い出す度に響は鳥肌が立ち、言葉にできない感情が全身を駆け巡る。そして、その感情に振り回されるように呻きながらサンドバックを叩きつぶす。この感情は、恐怖なのか、嫌悪なのか、それとも……。
 
『そ、そうなんだ。でも、もう私全然気にしてないし……』

『嘘! あんなにひどい事してきたのに、私達……うぅ』
 
 そう言って涙を見せる彼女に、響は酷く冷めた気分になった。その事実が、響の心を増々追い立て、サンドバックに向かわせる。
 
『本当に、私は大丈夫だから……だから、気にしないで』
 
 泣いている彼女の肩にポンと手をのせ、響はありったけの笑顔で、今持てる最大の優しい声で、そう伝えきった。きっと、もう二度とこんな笑顔はできないだろう。
 
『……本当に、響さんは英雄(ヒーロー)なんだね。ホント、カッコいい』
 
『ふっふーん、そりゃまぁねぇ~♪ 何ならもっと褒めてくれてもいいんだよ♪』
 
 ――嗚呼、なんと酷い言葉なのだ。
 響は心の中で涙を流しながら、彼女なりの褒め言葉を受け入れるしかなかった。彼女の声はまるでガラスに爪を立てている時に聞こえるあの不快な音にそっくりで、長い間聞いていると耳を塞ぎたくなる。
 その場を早々に立ち去りたかった響は、自分でも驚く程大人な対応をして、本当に不自然なほど自然な流れでその場は解散となったのだった。
 
「うううううううう…………」
 
 響は叩き続ける。
 今の”ヒーロー”としての自分と、過去の”生き延びてしまった罪悪感に苛まれていた少女”としての自分の狭間で、自らの心を持て余していた。
 
 
 一体、自分の心をどこに置けばいいのだろう――――。
 
 
「ひびき」
 
 一体、いつから居たのか。
 聞き慣れた柔らかい声に突然名を呼ばれ、響きは驚いて肩を震わせる。
 
「……未来?」
 
「そろそろ休憩、したら?」
 
 未来の口調は、特別に優しいわけでもなく、いつもと変わらない。その事が、響としてはなぜかとても嬉しくて、安心できた。
 先ほどまでの逆立っていた心が嘘のように、響は未来に促されるままにサンドバックを叩いていた拳を止めた。
 
「……うん、そだね」
 
 そう言って、未来が差し出してくれているタオルを受け取る。
 
「わぁ! 未来!? 私、汗ビッショリで汚いから……」
 
 すると、いきなり未来に抱きしめられて、響は悲鳴に似た声を上げ、未来を引きはがそうとする。けれど、未来はお構いなしに、響を抱きしめる腕にさらに力を込めてきた。
 
「……いいの! 私が、こうしたいってだけなんだから」
 
「で、でも……」
 
「いいの!」

「まぁ、未来がいいなら……」
 
 響が渋々了承すると、未来は嬉しそうに笑う。
 
「あのね、響」
 
「うん?」
 
「私ね、この汗は響の胸の苦しみが溶けだしたものかもしれないってそう思って、だからね、それを受け止めてあげたいなって……響は私にこうされるの嫌だった?」
 
「未来……」
 
 まるで朝の登校中におしゃべりをしているような未来の口調に、響は胸が詰まって何も言えなくなった。
 今日の事は未来にはまだ伝えていないが、響の様子がおかしい事なんて、きっととっくの昔に気付かれているに違いない。でも、未来は無理に聞こうとはせず、こうして支えてくれるのだから、本当に敵わない。
 響はいつの間にか、自分の腕を未来の背中に回し、思いっきりその両肩を抱きしめていたのだった。
 
      ◇
 
「――で、どうしてその話を私にするデスか?」
 
 後日、トレーニングルームの隅で、響はニッコニコ顔で切歌とおしゃべりをしていた。休憩時間なのだろう、その割に切歌の顔は不満気だ。
 
「いや~、未来の健気さを誰かに聞いてもらいたくって~♪ それでね、その話には続きがあってね……」
 
 どうやら響は先日あった出来事について話しているのだろう。
 しかし、ただの惚気話ほど他人が聞いてつまらないものはない、切歌の不満顔はそういったことなのだろう。
 切歌は鋭い眼光で、響を睨みつけると、これ以上惚気られてはたまらないと、話の途中で文句を言う。
 
「どうせ、その後汗で全身べとべとになった未来さんを見て、発情でもしたのでしょう! もう、これ以上の惚気はゴメンなのデース!」
 
「まぁまぁ、そう言わずにさ、切歌ちゃん♪ まぁ、切歌ちゃんの予想通り、汗でぐっちょりになった未来がさ~…………」
 
「人の話を聞けデーーース!!」
 
 響の全く人の話を聞かない態度に、切歌は文句を叫んで、その場を立ち去ろうと駈け出すが、その後を「ちょっと待ってよ~」と呑気な声を上げながら、響が追いかけてくる。
 
「もう、勘弁なのデスよ~~~~!!!!!!」
 
 にやけ面の響に追われ、切歌は叫びながら、逃げ続けるのだった。
 
(おわり)
 
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テーマ : 戦姫絶唱シンフォギア
ジャンル : アニメ・コミック

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プロフィール

タイヤキ

Author:タイヤキ
サークル「前に詰めて下さい」のページです。
『魔法少女リリカルなのは』と『プリキュア』ネタが多いです。

【メンバ―】
タイヤキ:SS担当
こじょ :表紙・挿絵担当
てんぷら:ドット絵、その他

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