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【ことりの囀りのように】

あけましておめでとうございます。
SS担当タイヤキです。

10月に仕事の関係で関西に勤務地が変わってから、リアルで色々ありすぎて吐きそうです(白目)
なので、ずっと更新できなかったんです(言い訳)

ともあれ、久々のなのフェイSSです。
よくよく見返してみると、去年はイベント本以外でなのフェイSS上げてなかったんですね。。。
今年は、もう少しSSをアップする頻度を上げたいなぁ……(遠い目

では、以下からどうぞ(※百合注意)
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【ことりの囀りのように】
 
     ◇◆◇
 
 それは、十一月とは思えない程麗らかな日の午後。
 久しぶりにお休みが一緒だね、と嬉しそうに声を弾ませる君に誘われるままに、最近買ったばかりのハイカットのスニーカーに足を通して街を歩く。
 久しぶりに見る街並みはどこかキラキラと輝いていて、隣を歩く君と笑い合う度に、心がさわさわとざわめき立った。
 
      ◇
 
「それで、今日はどこへ行こうか?」
 
 フェイトが隣を歩くなのはに問いかければ、なのははうーんと首を傾げて考え始める。そんな彼女の様子を、紅い瞳が優しく見つめる。
 中学を卒業してもうすぐ二年。
 ようやく仕事も軌道に乗り始め、少し生活にも余裕が出てきた所だ。そんな時、なのはからの連絡。フェイトとしては、一も二もなく快諾した。
 
「ねぇ、フェイトちゃんはどこか行きたい所ある?」
 
「なのはの行きたい所なら、どこでも」
 
「も~、それじゃ答えになってないよ、フェイトちゃん」
 
 なのはが眉をハの字に曲げて笑う。そんななのはにフェイトは、ダメかな? と瞳だけで問いかけて、ますます彼女を困らせる。
 少しだけ悩んで、それでもなのはは、ちょっと行きたい店があるんだ、と今も変わらないその温かい手でフェイトの手を引く。
 なのはの掌の温かさにフェイトは密かに頬を綻ばせた。
 
      ◇
 
 訪れたのは、最近できたばかりの大型のショッピングモール。
 その一角で、なのははあれもいい、これもいい、と洋服を手に取ってはすぐ隣の服へ目移りさせながら、楽しそうに目を輝かせている。
 
「ねぇ、フェイトちゃん、これとかどうかな?」
 
「……うん、可愛いよ」
 
「もう! フェイトちゃん、そればっかり! ……ふふふ♪」
 
 突然怒ったかと思えば、何がおかしいのか小さく吹き出すなのはに、フェイトはただ首を傾げる。
 けれど、手にした洋服をひらひらと翻しながら笑うなのはに、フェイトもまた笑みが零れた。
 
 ショッピングを一通り楽しんだ後、そこそこ評判の恋愛映画を観て、今度はカフェで一休み。
 
「さっきの映画、ヒロインの子可愛かったね!」
 
 身を乗り出すようにして話すなのはに、なのはの方が可愛いよ、と言ってしまいそうになる気持ちを抑え、「そうだね」とだけ返す。その言葉に気を良くしたのか、なのははさっきの映画の感想をきらきらした瞳でしゃべり始める。特に感動した部分は、身振り手振りが大きくなるみたいで、一緒にサイドポニーの髪がピョコピョコと跳ねる度に、フェイトは心の端をくすぐられているような気持になった。
 実は、フェイトは恋愛映画そのものに面白さをあまり感じていない。周りからの話を聞いても、ぴんと来ないし、それはきっと、自分にはまだ恋愛そのものがまだ早いのだ、そうフェイトは考えている。
 けれど、こうして普段見せないなのはの一面が見られるのなら、恋愛映画も悪くないかも、と未だ瞳を輝やかせて話すなのはを見つめながら思うのだった。
 
      ◇
 
「あ、フェイトちゃん、私アレやりたい!」
 
 そう言って、なのはが指差した先にはUFOキャッチャーがあった。透明なガラスに閉じ込められたぬいぐるみ達がつぶらな瞳でこちらを見つめている様子は、まるで助けを求めているようだ。
 少しの庇護欲と、なのはのキラキラ輝く瞳に当てられて、フェイトは「いいよ」と頷く。
 
「よ~し! 待っててね、クマちゃん。今私が助けてあげるね」
 
 どうやら、なのはも同じことを思っていたらしい。服の袖をたくし上げながら、ペロリと舌を出して、やる気満々のようだ。
 
 しかし、十分後――――。
 そこには、涙目でガラスの向こうのぬいぐるみを見つめるなのはの姿があった。
 
「フェイトちゃ~~ん」
 
「……なのは」
 
 くるりと振り向いて、胸に飛び込んできたなのはを受け止めると、フェイトは彼女の髪を優しく撫でる。
 
「フェイトちゃん、お願い! あのクマちゃんを助けてあげて!」
 
 顔を上げ縋るような瞳で懇願されて、フェイトは少し押され気味に「分かった」と頷く。
 フェイトは、操作ボタンの前に立つと、ぐっと目に力を入れて、ターゲットを見つめる。ぬいぐるみの位置や角度から、クレーンの動かし方を何パターンも脳内でシミュレーションする。この手のゲームはあまりやったことはないが、なのはの為に何としてでもあのクマをゲットしたい、その想いからフェイトは頭から煙が出そうなほど思考を巡らせた。
 
 ……
 …………
 ………………
 
「……やった!」
 
 ガコンという音と共に、取り出し口にクマのぬいぐるみが落ちてきた。
 少々、時間がかかったが何とかミッションコンプリートだ。
 
「はい、なのは」
 
 ぬいぐるみを取り出し、満面の笑みで手渡すと、なのはは少し困ったように眉根を寄せて「ありがとう」と小さく応える。
 
「どうしたの?」
 
「…………なのはのせいで、フェイトちゃんに大変な思いさせちゃったなって……」
 
 そう言って、しゅんとするなのはを見て、フェイトは相変わらずだな、と小さなため息と苦笑い。
 
「私がこうしたかったから、そうしただけで、なのはが気にすることじゃないよ」
 
 フェイトはいつもの落ち着いた口調でそう伝えると、「でも」と反論しようとするなのはの口に人差し指を乗せる。
 
「この話は、これでおしまい♪ せっかくのデートだし、言い争いはしたくないな」
 
 指から伝わる柔らかな感触に少しドキドキしながら、何処かで読んだキザなセリフを口にする。その効果はテキメンだったようで、なのはは耳の端まで真っ赤にしている。唇に乗せていた手を横へとずらして、朱に染まった頬に触れれば、その潤んだ瞳で上目遣いに見つめられ、ますます鼓動が速くなる。
 
「ねぇ、フェイトちゃん。あっちで休憩しない?」
 
 そう言って腕を引いてくるなのはの柔らかい掌の感触にフェイトはドキッとした。
 二人は何も言わず、人目のつかない場所を探すと、プリクラの影に隠れるように存在している椅子を見つけ、そこに座る。
 
「……ふぅ、歩きすぎて少し疲れたね」
 
 そう言って見せる笑顔が可愛くて、「そうだね」と言ってフェイトはにやけそうになる。そんなフェイトの心情などお構いなしになのはが、つんつんとフェイトの膝を自分の膝で突いてきた。
 悪戯好きな子供のようにその瞳をキラキラと輝かせているなのはから、目が離せなくなる。そういう瞬間、瞬間に、”ああ、やっぱり私この子のこと好きだなぁ”と実感するのだ。
 
「あ、フェイトちゃん、フェイトちゃん! あのXXXXXって、XXXXXXだね」
 
「? ごめん、ちょっとよく聞こえなかったんだけど」
 
 高校生らしき数人の女の子グループがやってきて、店内がさらに騒がしくなったせいで、なのはの声を上手く聞き取ることができなかった。
 フェイトはもう一度言ってと促すように耳を近づける。
 
「うん、あのね…………」
 
 しかし、それっきり一向に言葉を発しないなのはに、フェイトは何かあったのかと、疑問に思う。
 なのはの方に振り返ろうとした瞬間。
 
 ――――ちゅっ。
 
 頬に柔らかい何かが触れ、小鳥の鳴き声のような音が鼓膜を震わせた。
 驚いて顔を向けると、唇が触れてしまいそうなほどの距離になのはの顔があって、心臓が大きく飛び跳ねる。頬がやけに熱い。
 
「な、のは……?」
 
 口の中があっという間に乾いてしまって、少し変な声になる。なのはは、何事もなかったようにぱっと離れると、純粋な子供のような笑顔を見せた。
 その笑顔に、はっと我に返ったフェイトは、「もう、ほんとなのはのイタズラは心臓に悪いよ」と言って、はぁ、と一つ息を吐く。
 なのはは増々笑顔になって、「ねぇねぇ、フェイトちゃん」とぐいっとフェイトの肩を引き寄せると、今度は耳にキスをしてくる。そして、フェイトが振り向けば、さっきと同じようになのはの唇がすぐ近くにあったかと思うと、すぐに離れていく。
 
「……ちょっと、なのは!」
 
「にゃはは、なぁに、フェイトちゃん?」
 
 フェイトが顔を真っ赤に染めて怒っても、あまり意味はないようだ。なのはは、悪びれる様子もなく舌をペロリと出して笑っている。しかも、その様子が可愛いくて、つい頬が緩みそうになるのだから、自分でも本当に単純だと思う。
 それでもフェイトは、ぷくっと頬を膨らませると、ぷいっとそっぽを向いて、怒ってますよとアピールをする。それを見たなのはが、「あはは」と声を出して笑い出す。
 
「ごめん、ごめん、フェイトちゃん。機嫌直して~」
 
 ぷにぷにと指で膨らんだ頬を押しながら、軽い口調で謝ってきたが、全く反省しているようには思えない。悔しくなったフェイトは増々なのはから顔を反らした。
 すると、フェイトの頬を突いていた指が止まったかと思うと、
 
 ――――ちゅっ。
 
 もう一度、耳にキスされてしまう。
 フェイトは振り向きながら、腕をなのはの背中に回して逃がさないようにした。
 なのはの顔は至近距離にあるまま、離れない。
 
「もう、悪戯しすぎ」
 
 相手の吐息が鼻先をくすぐる程の距離。
 自然とフェイトの声も小声になる。
 
「……だってフェイトちゃん、反応が面白いんだもん」
 
 なのはの甘えた声が、息が、フェイトの鼓膜を震わせ、そのまま脊髄にまで浸透してくる。眩暈にも似た感覚に襲われて、そのままその感覚に飲み込まれてしまいそうになる。
 
「……そんな悪い子には、」
 
 そう言って、フェイトは軽く唇同士を重ねる。
 ちゅっ、という軽い音は、まるで小鳥のさえずりの様。
 すぐに顔を離してなのはの顔を見ると、幼い中にも妖艶さが混じった笑顔を浮かべていて、今まで見たことの無い表情に、フェイトは目が離せなくなった。
 
「……もう、おしまい?」
 
 上目遣いに見つめられ、おねだりされて、理性はもう吹き飛ぶ寸前だ。
 
「……もっと、してほしい?」
 
 ショート寸前の脳が、勝手に口を動かす。
 何を言っているんだと、理性が必死にフェイトを引き留めようとしていたが、なのはがこくりと素直に頷けば、そんなものはあっけなく爆散した。
 
 ――――ちゅっ。
 
 軽い唇同士が重なるだけのキス。
 顔を離しても、なのはの大きくて丸い瞳が、フェイトを惹きつけて離さない。
 気がつけば、チュッチュ、チュッチュと何度もキスを繰り返していた。まるで小鳥たちの囀りのような音がフェイト達の耳朶を震わせ、心を震わせた。
 
「ね~、次あれやってみない?」
 
「いいねー! やろう、やろう!!」
 
 何度も何度もキスをしていた二人は、突然近くから聞こえてきた女子高生の声に、ビクリと大きく肩を震わせた。
 それでようやく顔を離した二人は、いつの間にか手まで繋ぎ合わせて夢中でキスしていた事に気付いて、互いに目を見合わせては、恥ずかしそうに少し俯いた。
 けれど、すぐにそんな事が可笑しくなって、二人はクスクスと笑い始める。
 
「そろそろ、行こっか?」
 
「そうだね、なのは♪」
 
 そう言うと、二人は手を繋いだままその場を後にするのだった。
 二人仲良く肩を並べて。
 
 
(おわり)
 
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テーマ : 魔法少女リリカルなのは
ジャンル : アニメ・コミック

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Author:タイヤキ
サークル「前に詰めて下さい」のページです。
『魔法少女リリカルなのは』と『プリキュア』ネタが多いです。

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こじょ :表紙・挿絵担当
てんぷら:ドット絵、その他

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