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【リリマジ23 新刊告知】穏やかな日に

皆さま、ごきげんよう~。SS担当タイヤキです!

とても久しぶりに投稿です。
5/28に行われるリリマジの新刊告知です。

今回のリリマジは初のビックサイトということで、
去年10月から勤務地が関東から関西になってあまり余裕が無い中、
なんとか、かんとか、新刊を出せそうなところまできて、ちょっとほっとしています(笑)

因みに今回の新刊は短編集的なものになっています。

では、以下からどうぞ(※百合注意)
----------------------------------------------------

もくじ
 「業務命令、なのフェイ禁止!」(なのは×フェイト)
 「もしものはなし」(なのは×フェイト)
 「もっと近くに」(フーカ×リンネ)
 「落ち着け」(なのは×フェイト)
 「穏やかな日に」(なのは×フェイト)

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「業務命令、なのフェイ禁止!」
 
     ◆◇◆
 
「お疲れ、はやて。何だか久しぶりだね」
「おお、ほんま久しぶりやな、フェイトちゃん。今日は、どうしたん?」
「ちょっとした報告をね。はやては?」
「まぁ、ウチもそんな感じやね」

 普段と変わらないブラウンのスーツに身を包んでいるはやては、そう言うと苦笑いを作った。フェイトと比べると色々と小さく、見た目こそ少女のような彼女だが、同期の中では一番の出世頭で、加えて悪戯に関しては、徹底した狡猾さを発揮するため、局内ではかなりの有名人だったりする。

「うう、フェイトちゃ~ん……」

 これからメシでもどうや? はやてがそう言いかけた矢先、なのはの涙声が聞こえてきた
 振り向くと、両目を掌で押さえ、俯いているなのはの姿があり、はやてはぎょっとする。隣のフェイトも驚いたのだろう、息を呑むのが分かった。

「ど、どうしたの、なのは?」
「……明日、ヒマ?」

 すると、なのはは涙を一杯に浮かべた瞳で、上目遣いに問いかけ、フェイトは、何も分かってなさそうな表情のまま、「うん」と短く返事をしている。
「じゃあ、明日十一時にいつもの場所で待ち合わせね」
 フェイトの返事を聞いたなのはは、ケロッとした表情に変わると、それだけ伝えてさっさとその場を後にした。

「……フェイトちゃん、今、なのはちゃん、泣いてなかったやんな?」
「うん、そうだね」
「……つまり、さっきのなのはちゃんは、フェイトちゃんに断られないように、ワザと泣い

 フリをしてお願いしてきたってこと? それって……」
 はやてが、恐る恐るといった感じで訊ねると、フェイトは「きっと、そうだと思う」と、満面の笑顔で返してきた。おまけに、「でも、ああいうなのはも可愛いよね」などと抜かし始めていて、はやては眩暈を覚えた。
 付き合い始めや新婚だというなら、まだ大目に見よう。
 しかし、彼女たちはそうではない。
 昔、紆余曲折、涙なしでは語れない話があって、ようやくその手に光るリングを交換した時から、もう十年。お互い三十路をとうに超えた年齢なのだ。
 だというのに、未だ新婚ホヤホヤみたいなやりとりを見させられても、こちらは対応に困るばかりだ。そういうことは、新婚の頃にやるものなのだが、あの当時は、どちらかというと熟年夫婦のような落ち着きがあった。……全く、あの落ち着きはどこへいったというのか。
 はやては、ひとしきり脳内でワーワーと喚くと、小さくため息をついて、このままでは駄目だと、かねてより温めていた計画を実行することを決意するのだった。


(サンプルはここまで)
----------------------------------------------------

「もしものはなし」

     ◇◆◇
 
「なのは、行って!」
「でも!」
「早く!」

 そう言うと、フェイトはバルディッシュを握りしめて、敵ガジェットの群れへと突進する。そして、バルディッシュを振りかぶって、その勢いのまま振り下ろすと、たちまち大型のガジェット一機が簡単に真っ二つに分かれた。

「フェイトちゃん!」

 しかし、敵の数は尋常ではなく、フェイトは簡単に包囲されてしまう。

「すぐに追いつくから、大丈夫! 敵の目がこちらを向いているうちに、行って!」

 フェイトは叫ぶ。
 その声に、その想いに、なのはは歯を食いしばると、フェイトに背を向け、飛んで行った。決して振り返らないなのはの背中からは、覚悟のほどが伺い知れる気がする。

「――――愛してるよ、なのは」

 なのはの姿が見えなくなってから、フェイトはぽつりと呟く。その手には、幾多の死線を乗り越えてきた愛機が鈍く光っている。フェイトは、敵集団を睨みつけると、咆哮を上げてその集団の中に飛び込んでいった。
 

「カァァァット! はい、オッケ~!」

 監督の声がスタジオ内に響きわたると、場内の緊張がどっと解けた。
 なのはとフェイトの二人も、慣れない仕事のせいか随分と緊張していたようだ。二人して大きく息を吐いて、肩の力を抜く。

「おつかれ、なのは」

 フェイトはそう言うと、ペットボトルをなのはに手渡す。

「あ、うん。ありがとう。フェイトちゃんもお疲れ様~。それにしても、スタジオって結構暑いんだね」

 なのはは、自身の汗を拭っていたタオルで、フェイトの額に浮かぶ汗をふき取る。フェイトは、「ありがとう」と軽く感謝の言葉を口にすると、

「それにしても、JS事件から一年……六課の頃の話が映画化するなんて」

 と続けた。

「本当だよね~、しかも私達本人が主役だなんて」

 そう言うと、なのはは照れ笑いをする。「なんだか恥ずかしいね」そう言って、フェイトも照れくさそうに頭を掻く。

「でも、話は随分と違うみたいだけど?」
「それは仕方ないんじゃない、えっと、演出上の都合ってやつ?」
「そうなの?」
「きっとそうだよ~、だって別れ際に愛をささやくとかって、テレビだと鉄板だったりするし」
「ふ~ん、そういうものなんだね。私、あんまりテレビとか見ないから」
「ふふっ、フェイトちゃんはそうだよね~」

 なのはは、少し申し訳なさそうにしているフェイトを優しく見つめる。フェイトがそれだけ多くの人を救ってきていることを、彼女は知っている。

「ねぇ、フェイトちゃん。もし、さっきみたいなことがあったら……フェイトちゃんはどうする?」

 これも、テレビなどではよくある話。もしもああだったら、こうだったら……そんな取り留めのない、非生産的な会話。

「え? う~ん、そうだな……」


(サンプルはここまで)
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「もっと近くに」

     ◇◆◇
 
 ――気が付けば、いつも彼女の姿を目で追ってしまう。
 リンネは、ジムの端にあるサンドバックを動かないように片手で押さえると、リングの中央を見つめる。そこには、フーカと、その師アインハルトがスパーリングを行っていた。
 フーカとアインハルトの力量差は依然として大きく、フーカはもう何度もダウンを奪われているようだった。それでも倒される度、すぐに立ち上がっては、自身の師に立ち向かっている。

『ワシは、もっともっと強くなりたい。もっともっと強くなって、色んなやつと戦いたいんじゃ』

 キラキラした瞳でそう語る彼女が眩しくて、そんな彼女のことをずっと見ていたくなったことを思い出す。思い出す度、胸の奥がぎゅっと苦しくなって、何かの病気なのだろうか、と不安になる。

「フーカさん、どこか調子悪いんですか?」

 そこへひょっこりとヴィヴィオが現れて、フーカは飛び跳ねそうなほど驚いた。

「ヴィヴィオさん、いえ、何でもありませんよ」

「そうですか? なんだか苦しそうにしてたので……気分が優れないなら、ユミナさんを呼びましょうか?」

 心配そうにこちらを窺うヴィヴィオに、リンネは優しく微笑み返す。
「ありがとうございます。でも、本当に大丈夫です」
「ならいいのですけど……」

 不安そうに揺れる瞳で見つめてくるヴィヴィオ。
 ――カァン!
 話を切り替えたいと思っていた矢先、タイミングよくリングの鐘が鳴り、リンネは内心ほっとする。リングを見ると、ちょうど二人のスパーが終わった所だった。
「すみません、ちょっとフーちゃんの所に行ってきますね」
 リンネはそう言ってぺこりとお辞儀をすると、そそくさとフーカの元へ向かうのだった。
 
      ◇
 
「ではワシは、リンネを送り届けてきます」

 フーカが会長達にそう伝えると、分かったとか、気を付けて下さいね、と各々から返事が返ってくる。それらに応えるように、フーカはひらひらと手を振るとリンネの手を掴んで歩き出した。
 いつもと変わらない帰り道。
 けれど、日を増すごとに、フーカの手から伝わってくる温もりが強くなっているような気がする、なんてことを考えていたら、少しだけ頬が熱くなった。

「フーちゃん、今日も随分やられてたね」
「そーじゃの。まだまだお師さんの所までは遠いのう……」
「でも、きっとフーちゃんならいつか勝てるよ!」

 きゅっと手を強く握って、そう伝えると、フーカが驚いたように目を丸くする。けれど、すぐにいつもの優しい表情に戻ると、「おいおい、敵を応援してどうするんじゃ」と言って笑いだした。
 リンネはそんな風に笑うフーカを見て、やっぱりカッコいいな、とつい見惚れてしまう。

「どうした、リンネ。体調でも悪いんか?」

 あんまりにもボーっとしていたら、突然フーカがリンネの頭に手をのせ、おでこをくっつけてきた。

「なっ!??!?!」

 あまりの出来事に、リンネは思考が追い付かず、一気に顔に熱が集まる。

「熱はなさそうじゃが……って、リンネ、顔が真っ赤じゃ! 大丈夫か?」
「だ、大丈夫、大丈夫だから!」

 リンネは慌ててフーカから離れると、両手で顔を隠して、大丈夫だと、何度も繰り返した。
無事に誤魔化せたかどうかは分からないが、その場はそれ以上フーカからの追及は無く、家についたリンネはどこかほっとするのだった。
 
 
(サンプルはここまで)
----------------------------------------------------


「落ち着け」
 
     ◇◆◇
 
「早く、もっと早く……」

 ブツブツと何かを呟きながら、フェイトは必死にキーボードを叩いている。
 ここは、管理局内でのフェイトの仕事場。専用に宛がわれた執務官室だ。

「フェイトちゃん、もうチョイ落ち着かな、ミスするで?」

 別の机で作業をしていたはやての言葉は、しかしフェイトには届かなかったようだ。フェイトは依然として、ブツブツと何かを呟きながらキーボードを叩いている。彼女の目には深い隈があり、その瞳は妙にギラギラと光っている。フェイトの事を知らない人が見れば、完全に犯罪者に見えるだろう。

「まだだ……私はまだできるはず…………」

 正直怖い、はやては鬼気迫る様子のフェイトに若干引いていた。気軽な気持ちで、フェイトの仕事場に遊びに来るべきではなかった、と後悔する。

「あ、フェイトちゃん。ちょお、ここ分からんねんけど、どうすればええかな?」

 それでも仕事は仕事と割り切って、はやては疑問点をフェイトに訊ねる。
 ブツブツブツブツ……。
 しかし、フェイトからの返事はない。
 これはアカン、そう判断したはやては、大きく深呼吸をして、席を立つと、フェイトの傍に歩み寄る。
 スー、ハー。
 そこでもう一度、深呼吸。依然としてはやてに気付いていない様子のフェイト。
 ――スパン!

「こらぁ、フェイトちゃん!」

 何処からともなく取り出したハリセンでの一閃は、見事にフェイトの後頭部を叩き、綺麗な破裂音が室内に響き渡った。
 ようやく我に返ったフェイトと目があうと、彼女は何が起こったのか分からないといった顔で、その大きな瞳をぱちくりとさせている。

「フェイトちゃん、ちょっと落ち着き。そんなんじゃ、どこかでミスするで? あと、ここ分からへんねんけど」
「ああ、それは――……」

 一通り、説明を聞いて理解したはやては、仕事に戻る前にもう一つ訊ねる。

「そういや、今日はなんでそんなに慌ててるん? この仕事量、今日だけやと正直キツイで。明日に回したらダメなん?」
「……明日は休みなんだ……この仕事が終わったらっていう条件付きだけど」
「……なるほど」
「前々からなのはと一緒にお休み取れるところを探してて、明日休むことは、ずっと前から計画してたんだ」
「ふむ……しゃーないな、そういうことならウチもひと肌脱いだろか!」
「はやて?」

 はやては腕まくりすると、ヴォルケンリッターの面々に召集をかける。

「な、わ、悪いよ、はやて……」
「ええって、ええって、困ったときはお互い様、や♪」
「……ありがとう」

 それと、あと一人。はやては、フェイトに気付かれないように、とある人物にも連絡をとる。
 きっとこれで、今夜は凌げるだろう。はやてはぐるりと肩を回すと、再び書類の山に向かうのだった。
 
 数時間後、夜食を手にしたなのはが登場し、フェイトのやる気に再びブーストが掛かったおかげで、日を少し越えたあたりには、仕事を片付けることができたのだった。
 
 
 (了)
----------------------------------------------------


「穏やかな日に」

     ◇◆◇

 ようやく取れた久しぶりの休み。今日は、なのはとデートの予定だ。
 ヴィヴィオは、最近ますますストライクアーツに夢中で、今日も合宿に行っている。今年こそは世界一になる、と毎日のように言っているらしい……まだ初等科六年生なのに、早すぎない?
 フェイトは手早く着替えを済ませると、意気揚々とリビングへ向かう。

「おはよう、なのは!」
「わ! おはよう、フェイトちゃん……今日は何だか随分とテンションが高いね」

 当然だ、久々の休みでデートなのだから、テンションも自然と上がる。そんなことをなのはに伝えたら、照れ笑いが返ってきて、年甲斐もなくときめいてしまった。

「早速、レッツゴー」

 フェイトは拳を振り上げて、声を上げる。

「あ、待ってフェイトちゃん」
「……?」
「昨日遅かったし、もう少しゆっくりした方が良いんじゃない? ちょっとフラついてない?」

 フェイトとは対照的に落ち着いて、そう訊ねるなのは。その顔が心配そうにこちらを覗き込む。

「大丈夫だよ、なのは。こんなのいつもの事だし!」

 一方のフェイトは、まるで暴走列車のようで、聞く耳を持とうとはしない。なのはは、はぁ、と軽くため息をつくと、キッチンでお湯を沸かせ始める。

「フェイトちゃんがそういうならいいけど、でもコーヒーだけでも飲んでから行こう?」

 落ち着いた声でそう言われると、フェイトとしても反論できず、「うん」と頷いて、ソファーに座ってお湯を沸かすなのはを眺める。
 シュンシュンと、ヤカンからする一定間隔の音が、耳に心地いい。

「はい、フェイトちゃん」

 ことり、とテーブルに置かれたマグカップの音で目が覚める。どうやら軽く眠ってしまっていたらしい。

「んぁ……ありがとう、なのは」
「もう、やっぱり眠いんじゃない」

 目をごしごしと擦っていると、なのはから呆れた感じの声が降ってくる。
 フェイトは何か言おうとしたが、その前に、なのはが「もう、しょうがないなぁ」と言って、フェイトの頭に手を乗せ、そのまま膝の上に引き寄せる。
 ぽすん、という音と共にフェイトの頭は、なのはの膝の上に収まった。

「やっぱり、ちょっと休もう? それとも、私の膝の上じゃ不満?」

 ――ずるい。
 そう言われてしまうと、フェイトとしては何も言い返せなくなる。なのはの膝の上が不満だとしたら、何処なら満足だというのか、フェイトは悔しそうに片頬を膨らませる。
 しかし、なのははお構いなしに、ぽんぽんと子供をあやす様にフェイトの頭を優しく叩く。いつしかフェイトはその手に誘われるように、微睡の中へと意識が溶けていった。

(サンプルはここまで)
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テーマ : 魔法少女リリカルなのは
ジャンル : アニメ・コミック

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プロフィール

タイヤキ

Author:タイヤキ
サークル「前に詰めて下さい」のページです。
『魔法少女リリカルなのは』と『プリキュア』ネタが多いです。

【メンバ―】
タイヤキ:SS担当
こじょ :表紙・挿絵担当
てんぷら:ドット絵、その他

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