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【遭遇!イカ娘】

どうも、SS担当のタイヤキです。

今回はちょっと路線を変えて、七葉院さんネタです。

七葉院さんのCVが金元さんと発覚して思いついただけのネタ…。
正直バスガイドさんってどんな仕事なのか解ってないけど、勢いで書いてしまった(汗

七葉院さん、もっと流行れ♪
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【遭遇!イカ娘】

「皆様、長時間の移動ご苦労様でした。ここからは自由行動となります、17時にご集合くださいね。」

 お客様がバスから全員降りた事を確認し、私は大きく息を吐いた。
「お疲れ様、まゆせちゃん。仕事はもう慣れたかい?」
「いえ、まだまだですぅ…。」
 運転手の先輩にそう答えながら、私は大きくため息をつく。

 この会社に入社してもう1年。長い長い研修期間を終えて、無事バスガイドの仕事を始めたのですが…、実際の現場はやはり研修とは雰囲気とかが違って、今日もすでに5回も噛んでしまいました。
 あ、申し遅れました。私の名前は七葉院まゆせ――バスガイドをやっています。今日は海の日ツアーということで、とある海岸へ来ています。観光よりは、海で遊ぶことの方がメインのツアーなので、あまり案内の仕事はない新人が担当することが多いそうです。

「まゆせちゃんも、休憩してきていいよ」
「え…、でも…。」
 本来、バスガイドは案内をしていない間、業務経過報告や社内点検・清掃等様々なことをするのですが、今日は自由時間が長いこともあって、それらの業務が完了しても空き時間ができてしまいます。先輩の提案はそのことを加味してのものなのでしょう。
 私の迷っている様子を見て、先輩はさらに一言。
「まぁ、最初からそんなに張り詰めるとこの先大変だしさ。」
「じゃ、じゃあ、せっかくなので…。」
「おう!」


 バスから出ると、空は雲一つない快晴で太陽からの日差しが全身を刺激する。お客様のように海で泳げたらきっと気持ちいいだろう。
 特に行くあてもなく海辺をブラブラ歩いていると、私は自分の人生で今まで遭遇したことのない光景を目の当たりにした――。

 「か、髪の毛が動いてるー!食器持ってるーー!!」

 目の前には、意思を持っているかのように、髪の毛が食器を持っている光景があった。小学生くらいだろうか、青い髪をした少女はまるで自分の手のように髪を操っている…ように見える。

「し、しかも周りの人は驚いてない…。ど、どうしてぇ~?」

 目の前で立ち止まっている私を見て、青い髪の少女は不思議そうな顔で聞いてきた。
「ん?どうしたでゲソ、入らないゲソか?」
 ――げそ!?今、げそって言った??
 混乱している私にさらなる疑問が押し寄せ、目を回しそうになった。そんな私を見て、青い髪の少女はますます不審そうな目をしてくる。ま、まずい、何かしゃべらないと…
「あ、あの。どうやったら髪の毛で皿が持てるようになるの?」
 って、私は馬鹿かー。思ったままを言ってしまった。ストレートすぎるでしょー。
 そんな私の混乱を余所に、少女の口から衝撃の単語が――。
「人間には無理でゲソ!あと、これは髪の毛じゃないでゲソ。」
「へ?でも、貴女も人間でしょ?」
「私は海からの使者、イカ娘でゲソ!!」

 ドヤァという文字が見えそうなくらい自信満々に少女は答える。冗談なのか本気なのか判断できず、私は少し後ずさった。その様子を見て何か勘違いしたのか、その少女は増々得意げになって、言葉を続ける。
「私は、海を汚す人間どもを侵略するために、やってきたでゲソ!」
「へ、へぇ~、そうなんだ。頑張ってね。」
 その答えが不満だったようで、イカ娘と名乗る少女は頬を膨らます。


「イカちゃ~ん!!」
「げ!」
 その時ドドドという音が耳に入り、音のする方を向くと、少女が凄いスピードで近づいてくる。しかし次の瞬間、その少女の姿が遠ざかった。イカ娘ちゃんの髪がギュンと伸びて走ってくる少女を吹き飛ばしてしまった。

 しかし、吹き飛ばされた少女はまるで何事もなかったように起き上がり、今度は歩いて近づいてくる。この娘も人間じゃないとか言い出したらどうしよう、そんな事を思っていると少女は私の前でピタリと立ち止まった。その顔は驚きに満ちている。
「あ、あの…。失礼ですが、以前どこかでお会いしませんでしたっけ?」
「え…、えっと。気のせいじゃないでしょうか?」
 すると急に少女はナンパの常套句を言ってきた。私は、本能的に危険を感じて弱腰で応える。その応えを聞いて、その娘の身体がビクッと小さく跳ねた。

「!!…やっぱり!お姉さんの声、イカちゃんとそっくりだぁ!!」
「え!?」
「…ハァハァ、お、お姉さん、し、写真撮らせてもらっていいですか…!!」
「え、い、いや…あの、私は仕事中ですので…。」
「ハァハァ、そ、そこを何とか…。」
「……(この娘、怖いぃ)。」

 蛇に睨まれたカエルってこんな気持ちだんだろうなと、完全に固まって動けない私は恐怖に支配された頭の片隅でそんなことを考えていた。動けない私を見て、肯定の意味と勘違いした少女は、カメラをこちらに向けてきた。

「…早苗、何してんの?」
 そこに、短髪の赤い髪した少女が割って入ってきた。――女神だと思った。
「あ、い、いやぁ~、そこのバスガイドさんを撮ろうかなと思って…。」
「…はぁ~。」

 赤髪の少女は、一瞬の逡巡の後にやりとして口を開いた。
「早苗、そんなに気が多いとは。」
「ち、違うの。そこのバスガイドさんの声がイカちゃんそっくりで…。ご、ごめんなさい、イカちゃん。私…。」
「…いや、私に謝られても…」
 そういうと、カメラを持ったまま少女はうな垂れてしまった。その様子に、危険は去ったことを感じて私は大きく息をついた。

「大丈夫でしたか?」
 と、赤髪の少女が心配そうな顔でこちらを窺う。
「はい、ありがとうございました。」
 私は精一杯の笑顔で感謝の言葉を口にする。すると、赤髪の娘も驚いた顔をした。
「いやぁ~、驚いた。本当にイカ娘の声とそっくりだ。」
「そうでゲソかぁ~。私の声はもっと威厳があるでゲソ。」
「いや、お前にそんなものはない。」
 青い髪の少女は、膨れた顔で赤髪の娘を睨んでいたが、その光景がとても自然で微笑ましい。ふと腕時計を見ると、そろそろバスに戻らないといけない時間になっていた。
 私は、慌てて少女たちにもう一度感謝して、バスへと急いだ。
 

「なんだか、今日は不思議な体験をしたなぁ…。」
 バスへ向かう途中、そんなことを呟きながら雲一つない空を見上げた――。

(おわり)
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タイヤキ

Author:タイヤキ
サークル「前に詰めて下さい」のページです。
『魔法少女リリカルなのは』と『プリキュア』ネタが多いです。

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タイヤキ:SS担当
こじょ :表紙・挿絵担当
てんぷら:ドット絵、その他

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