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【kissで目覚めて】

どうも、SS担当のタイヤキです。

今回は戻ってなのはシリーズネタです(笑)

中学1年頃あたりをイメージしてます。
なのはさんが何やらはやてちゃんにお願いしたようで、
フェイトちゃんはまんまと掌で踊らされていたようですwww

そんな「なのフェイなの」になっております。

戦闘シーンが書きたくて、無駄に長くなってしまいました。すみません…(泣)


では以下からどうぞ(※百合注意)
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【kissで目覚めて】
 
「キャアァァ…!!」
 
 ドォン! という激しい破壊音と同時になのはの悲鳴が館内に響き渡り、辺り一面が土埃に覆われた。
 
「…! なのはぁ!!」
 
 フェイトは声を荒げながら、なのはの声がした方に向かって走る。前が見えない状態にも関わらず、すぐになのはは見つかった。冷たいフロアに横たわっているなのはの姿に、フェイトは去年の冬の出来事を思い出し、心臓が凍りついた。
 慌てて駆け寄って体を抱え上げると、フェイトはなのはの口元に自身の耳を近づけた。すると、規則正しい息づかいが聞こえ、フェイトは僅かに胸を撫で下ろした。
 
 ふっと破壊音がした方を見ると、大きく崩れた壁の前に一人の女性が立っていた。その女性は黒で統一したスーツベストとミニスカートを身に纏っていて、ハットと手袋姿がどこかバスガイドを彷彿とさせていた。
 
「ふふ…、次はアナタよ」
 
 バスガイド姿の女性は、不意にそう言うと、周囲に水色のボールを出現させた。バチバチっと水玉から音が聞こえ、それが魔力で作られたものだということがすぐに分かる。
 
「バルディッシュ」
 
「Yes,Sir.」
 
「セットアップ!」
 
 フェイトがバルディッシュを突き出すと、全身を金色の魔力が包み込んだ。すると、ガシャガシャとけたたましい機械音を立てながら金色のデバイスは漆黒の斧へと姿を変える。それと同時に、フェイトも全身を漆黒のバリアジャケットと白いマントに身を包んだ。フェイトが斧へと変形したバルディッシュを手に取ると、バシュッという音と共に周囲を包んでいた金色の光が弾けた。
 
 ――ダッ!
 
 間髪入れず、フェイトは僅かに腰を屈めてから相手に向かって走り出していた。しかし相手は、慌てる素振りもなく水色の魔弾をフェイトに向けて発射した。
 その弾道は直線ではなく、少し蛇行しながらこちらへ向かってくる。並みの魔道士なら回避困難な軌道だが、フェイトは難なく躱しながら前に進む。
 フェイトは瞬く間に相手の背後を取り、狙いを定めてフォトンランサーを放つ。しかしその攻撃は相手に読まれていたらしくシールドで防がれてしまった。
 
 続けて放たれた青い魔弾を躱しつつ、フェイトは戦闘地点を変えようと誘導する。ある程度、建物から離れたことを確認して、フェイトはバルディッシュを構えなおす。
 
「時空管理局執務官、フェイト・テスタロッサ。民間人への魔法攻撃であなたを逮捕します。抵抗しなければ弁護の機会があなたにはある。武装を解いて、ご同行願います。」
 
「…あらあらぁ~、お友達が倒されたのにお仕事ですかぁ。ご立派ですね~」
 
 フェイトの問いに、相手の女性はくすくすと笑いながら答えながら、先ほどの倍以上の水玉の魔弾をセットした。どうやら会話をするつもりはないようだ。
 
「バルディッシュ!」
 
「Harken Form.」
 
 フェイトに呼ばれた漆黒の斧は、阿吽の呼吸で応答すると、ガン、バシュっという音を立てながら、バルディッシュが鎌の形に変形した。
 
 フェイトが鎌を構えなおすと、しばらく静寂が辺りを包んだ。フェイトは、相手より先に動くタイミングを見計らっていた。
 
「Go!」
 
 突然、相手の声が静寂を切り裂き、水色の魔弾がフェイトに襲いかかる。フェイトは素早くバックステップを踏み、シールドを展開する。
 
「ファイヤ!」
 
 相手の魔弾がシールドで防いだ衝撃で土埃が舞っている間に、フェイトはバルディッシュの先端からフォトンランサーを放つ。上手く虚をついた攻撃に、相手は微動だにしない。直撃かと思われた瞬間、フェイトの攻撃はスッと相手の体をすり抜けた――。
 
「――幻影!?」
 
「…フフッ、こっちよ、お嬢さん♪」
 
「!!?」
 
 フェイトは上空からの攻撃をとっさにバルディッシュで受けるが、威力を殺し切ることはできず急降下する。しかし地面に叩きつけられる寸前で何とか踏みとどまり、ダメージを最小限に抑える。すぐに上空に視線を動かすと、相手はすでに次の手を用意していた。
 
「スティンガースピア!」
 
 槍状の魔力弾が雨のように降り注ぎフェイトを襲った。その数は先ほどの魔弾の比ではなく、上空一面をびっしりと覆っている。
 フェイトは、防御不能と判断すると、最小限の動きと最小限のシールドで魔弾の軌道をずらしながら、真っ直ぐ上昇していった。
 
「はあああぁ…!」
 
 相手の目の前に到達したフェイトは、バルディッシュを大きく振りかぶり、思いっきり振り下ろした。しかしブンッという音だけが響き、またもや虚しく空を裂いた。この近距離でも本物と見分けがつかない程、精巧な幻術にフェイトは驚きを隠せずにいると、今度は斜め上から蹴りが飛んできた。
 
「ぐっ…!!」
 
 完全な不意打ちに、フェイトは思いっきり地面に叩きつけられてしまう。想像以上に重い攻撃に、フェイトはうつ伏せの状態からなかなか起き上がれない。
 
「これで、おしまいね♪」
 
 その女性は掌を前に突出し、その先端に魔力を集め、砲撃の構えを取った。
 
「なぜ、私たちを襲う?」
 
 フェイトは尚も起き上がることができず、顔だけ上げて、必死にそれだけを口にする。
 
「…別にぃ、……まぁ、強いて言うなら、貴女達の体目当てって所かしら。」
 
「体…?」
 
 思いもよらない回答に、フェイトは思わず疑問を口にしていた。すると、相手は愉快そうに口を大きく歪めながら、その先を続けた。
 
「貴女達は知らないでしょうけど、世の中には、貴女達のような有名人の体を弄びたいと思っている変態さんが幾らでもいるのよ。特に、お金が有り余ってるようなオジサマ達に多いのよね~♪」
 
 相手の言っている事を理解し、フェイトは激しい怒りが体中を駆け巡った。
 
 ――そんな理由でなのはを傷つけたのか……!!
 
 そう思った瞬間、フェイトは自分の中の何かが切れる音した。
 ゆらりと起き上がると、自身の愛機を呼びかける。
 
「バルディッシュ…」
 
「Sonic Form.」
 
 バルディッシュは自分の主が何を命令しているのか瞬時に理解し、主のバリアジャケットのフォームを変更する。
 
 …次の瞬間、フェイトの姿が消えた――。
 
「な!?」
 
 気が付いた時には、フェイトが目の前にいて、すでにバルディッシュを振り下ろした後だったようで、後から斬られた痛みが彼女を襲った。
 
「―――ッ!!???」
 
 痛みをこらえながら、慌ててフェイトとの距離を取る。痛い~っと内心涙目になりながらも、必死に表情には出さないように努める。
 
 『大丈夫、命までとられることは無いはずやから♪』
 
 嘘だぁ、これ絶対殺される~と、今回黒幕の子のセリフに突っ込みを入れながら、なおも後ずさるようにフェイトからジワジワ距離を離していった。
 うう、ケーキ食べ放題につられて安易にお願い聞くんじゃ無かったと今更ながら後悔する。もともと、悪役キャラなんてやった事もなかったために、調子に乗って余計な事を言ってしまったらしい。…地雷を踏んでしまった事だけは分かった。
 
「ま、まぁ、今日の所はこれで勘弁してやるわ、じゃあね!」
 
 バス子は少し声が上ずりながらも、何とかそれだけ言うと、慌てて逃走した。
 
 
  ◇
 
 相手が逃走の姿勢を見せたので、フェイトは追跡しようとした時、
 
「フェイトちゃん!」
 
 はやての声が後ろの方から聞こえてきた。
 
「はやて!」
 
「遅くなってゴメン、で、なのはちゃんは?」
 
「! そうだ、なのはぁ~!」
 
 フェイトは思い出したように、なのはの元へ飛んで行った。その姿を見て、どうにか追跡させずに済んだとはやては胸を撫で下ろした。
 
「あの人、フェイトちゃんより2つほど魔道士ランクが上のはずなんやけど、フェイトちゃん、まさか勝つとはなぁ~…」
 
 これも愛の力なんやろか、とはやては内心で驚きつつ、フェイトの後を追いかけた。
 
 
 なのはは特に外傷もなく、気絶しているだけだった。これなら、魔法で治療すればすぐ回復するだろう、とフェイトは少し安心しつつ、なのはを抱え上げた。しかし、その安心ははやての一言で大きく崩されることになった。
 
「…! フェイトちゃん、これ…」
 
「…え!? こ、これは!??」
 
 はやての指差す先には、黒く変色したなのはの手があった。フェイトはショックのあまり、足元から崩れ落ちそうになるのを懸命にこらえた。はやてが覗き込むと、フェイトの顔は真っ青になっていた。
 
 ……実はこれ、フェイトとバス子の戦闘中に、なのはとはやての二人で準備した悪戯なのだ。しかし、はやてはワザとらしくなのはの手を触り、何かに気づいて驚いているフリをする。
 
「!! これは…! フェイトちゃん、落ち着いて良く聞いてな。」
 
 はやてはたっぷりと間を置き、深呼吸をして、落ち着いた素振りを見せてからで話し始める。
 
「…これは古代ベルカで使われてた毒や。いまだに治療方法がなく、3時間で相手を殺すことができるシロモノや。昔、これと同じものをアインスの記憶を通してみたことがある。」

「――――ッ。」
 
 それを聞いて、フェイトは目の前が真っ暗になって、立ってるか座っているかさえ分からなくなった。それでも何とか意識を保てていたのは、両手から伝わる温もりのおかげだったのかもしれない。
 
 しかし、はやての言葉はここで終わりでは無かった。
 
「ただ、一つだけ対処法がある。伝承レベルの方法やから可能性は限りなくゼロに近いけど、やってみる価値はあるはずや。」
 
 その言葉はフェイトに大きな希望を与えた。無意識になのはを抱えている腕に力が入る。
 
「古代ベルカにも白雪姫と同じような話があってな、この毒は、白雪姫でいう所の毒りんごと同じなんや。…つまり」
 
 そこまで聞いて、フェイトははやてが言わんとすることを理解した。毒りんごを食べた白雪姫を救ったのは――王子のキスだった。はやては、そのことを言っているのだろう。
 フェイトに迷いは無かった。フェイトは一度顔を上げ、はやてに大きく頷くと、再びなのはの方に視線を戻した。その瞳には力強い光を感じる。
 
(………あれ?)
 
 本来ならここでドッキリでしたーとなる筈だが、一向に起きる気配のないなのはに、はやては心の中で首を傾げ、すぐにその意図に気づいた。
 
 ――やられた。
 
 なのはは最初からドッキリなんてする気無かったという事だろう。
 
 ホンマなのはちゃんには敵わんなぁ、と内心ため息をついたが、ここで仮にドッキリだとフェイトに伝えようものなら、後でSLBを喰らう事になるので、はやては静かにその場から退散した。
 
 はやての退散に全く気付いていないフェイトは、抱え上げていたなのはを一旦下し、彼女の頭を自分の膝に乗せた。唇をじっと見つめた後、フェイトは目を瞑り、これから来るはずの未来に想いを馳せた。なのはと一緒に過ごす未来に。
 フェイトは覆いかぶさるようにして、なのはにキスをした、全ての想いを乗せて――。
 
 長い長い静寂の後、フェイトが唇を離すと、そこには少しだけ瞳を濡らしたなのはの姿があった。
 
「フェイトちゃん…」
 
「なのは…ッ!」
 
 フェイトの想いがたくさん詰まったキスに、なのはは言葉にできない喜びに満たされていた。反対にフェイトは、僅かな希望にかけて得られたこの結果に、心の底から安心したのか、ボロボロと大粒の涙を流していた。
 その姿にちょっとだけ罪悪感を感じつつも、ここまで心配してくれる彼女の優しさに、なのはは嬉して自然とフェイトの首に両腕を回していた。
 
「ありがとう、フェイトちゃん」
 
「なのは……なのはぁ~…」
 
 フェイトの瞳から流れる涙が、なのはの体を満たしていく。滴り落ちてくる涙はキラキラと綺麗な輝きを持っていて、体に触れるとその部分からフェイトの温かさが伝わってくるようだった。
 
「フェイトちゃん、ありがとう…大好きだよ」
 
 なのはは、心優しい彼女を手繰り寄せるようにして唇を重ねた――。
 
 
   ◇
 
 ――後日。
 結局フェイトに嘘がバレてしまい、拗ねたフェイトのご機嫌を直すためになのはは、はやてと二人で1日中謝りっぱなしだった。でも、拗ねたフェイトちゃんも可愛いなぁとあまり反省はしていなかった…。
 
 
 
(おわり)
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テーマ : 魔法少女リリカルなのは
ジャンル : アニメ・コミック

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サークル「前に詰めて下さい」のページです。
『魔法少女リリカルなのは』と『プリキュア』ネタが多いです。

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てんぷら:ドット絵、その他

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