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【お酒の力とかではない】

どうも、SS担当タイヤキです。

先日、いつもお世話になっている方と飲みに行って、
その方がベロンベロンになったのを見て、今回のネタを思いつきました(笑)

本当は、酔ったはやてちゃんがリインを襲う話になる予定だったのですが、
気づいたら全く違う話になっていました…が、一応「はやて×リイン」は変わっていません!(汗)

今回は、ようやくヘタレはやてちゃんが重い腰を上げてくれました♪


ただ申し訳ないですが、今回はおまけパートが無いです…力尽きました\(^o^)/
というわけで、以下からどうぞ(※百合注意)


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【お酒の力とかではない】
 
「たっだいまー……ウィー…ッ」
 
 はやては覚束ない足取りで、電気が消され真っ暗な我が家の玄関をくぐった。時刻は既に午前一時を回っていて、家族はみんな寝ているのだろう、家の中はシンと静まり返っている。
 家まで無事たどり着けた安堵感からか、はやては力尽きたように靴も脱がず上り框に横たわってしまった。お酒にそこまで弱くは無いが、今日は少し飲みすぎたようで、顔が火照って頭がボーっとしていて、視界はグルグルと回っている。
 もうこのまま寝てしまおうかな、と働かない頭で考えていると、
 
「おかえりなさい、はやてちゃん…ってお酒臭ッ!」
 
 不意に頭上から鈴の音のような可愛らしい声が聞こえてきた。
 
「ただいまぁー…リイン……」
 
 はやては頭だけ起こして銀髪の少女に挨拶を交わす。ただ、一度休めた体は鉛でも仕込まれたように重く、ピクリとも動かせそうになかった。
 リインはそんなはやての様子を見て、大きくため息をつくと、呆れたように首を横に振る。
 
「もー…はやてちゃん、ほら起きてください!」
 
 そう言ってリインははやての靴を脱がせてから、腕を掴んで起き上がらせようと力を入れた。
 
「うぅ…ん……」
 
 リインから香るシャンプーの匂いに包まれて、はやては少しだけ意識が戻ったが、体のほうは相変わらず重いままで、なすがままにズズっと引っ張られていた。
 このまま引きずり回すわけにもいかないリインは、再びタメ息をつくと、気を取り直して、なかなか起きてくれない主の両脇を掴むと、自分の体をその下に滑り込ませるように抱きかかえた。
 はやての体は、いつも抱き付かれる時よりも重く、リインはフラフラしながら、ようやく立ち上がると、そのままリビングへ向かおうと懸命に足を動かす。
 
「――きゃっ!」
 
「はぁ~…リイン、エエ匂いやなぁ…」
 
 突然、はやてが胸元に顔を埋め、ぐりぐりと押し付けてきたので、リインは思わず悲鳴を上げた。しかも発言がおじさんくさい。
 
「ちょ、ちょっと、…はやてちゃん!」
 
 リインはそんな主を振りほどこうと腕に力を入れる。しかし、いつの間にかはやては両腕をリインの背中に回してがっちり組んでいて、いくら力を入れても振りほどけそうになかった。
 先ほどまで全く動こうとしなかったのに、セクハラのチャンスの時だけ妙なパワーを発揮するんですから、と主を恨めしそうに睨みつつ、リインは必死に抵抗を試みる。
 
「はぁ~…これでもうチョイ胸があったらなぁ~…」
 
 ――ズキン。
 
 …まただ。このおっぱい大好き魔人は、いつもちょっかいを出しては必ずこのセリフを口にする。そしてその言葉を聞く度に、先代のリインフォースと比べられている気がして、少しだけ心の奥底が痛む。
 それでも、このセクハラ魔人にはきついお仕置きが必要だと、リインは拳を握りしめると一気に振り下ろした。
 
 ――ゴンッ!
 
 大きな音が玄関中に響き渡り、はやては両手で頭を押さえながら少し後ずさった。
 
「もー、そんなに酔っぱらって……お水用意しますから、リビングで座って待ってててください」
 
 はやてから解放され安堵のため息をつくと、リインは眉を曲げて悪戯っ子を諭すような口調ではやてをリビングへ誘導する。はやては相変わらずフラフラしていて、ちゃんと言葉を理解してくれているか怪しかったが、コクンと頷くと左右に揺れながらリビングの方へ歩いていった。
 
 
   ◇
 
 リインが水を用意してリビングへ行くと、はやてはソファーに座って頭を左右に振っていた。後ろ姿からでも眠そうなことが十分に伝わってくる。
 
「はい、はやてちゃん、お水ですよ。」
 
 リインははやての隣に座り、水の入ったグラスを手渡す。はやては条件反射的にそれを受け取るとぐいっと一気に飲み干した。
 
「…ぷはぁ~…」
 
 はやてはグラスをテーブルに置くと、少し意識がはっきりしたのか、先程までは完全に閉じていた目を半分ほど開けた。ただ、頭は相変わらず左右に揺れている。
 
「少しは良くなったですか?」
 
「うん、…ありがとうな、リイン」
 
 すぐ傍からはやての柔らかい声が聞こえて、リインは少しドキドキする。
 酔っぱらって、酒臭くて、セクハラ魔人なのに、どうしてこんな些細な事がこんなに嬉しいのか、とリインは少し理不尽さを感じつつも表情には出ないように気を付ける。
 
「もう……それにしても、はやてちゃんがこんなに酔っぱらうなんて、何かあったんですか?」
 
 ――あぁ、この子はホンマに…。
 
 散々迷惑をかけているのに、この子はそれでも私を心配してくれるんやなぁ、とはやては隣に座る子の優しさに胸が締め付けられた。同時に、今日の出来事が蘇る。
 
(それに比べて、……あのクソオヤジめ!)
 
 今日は上司に珍しく客人が来た為、夜は接待で外食したのだが、その上司の態度にどうしてもはやてはいら立ちを隠せなかった。
 元々今の上司は男尊女卑のきらいがあるのだが、今回のように客がくると、自分をまるで秘書のように扱う。それがはやては堪らなく嫌だった。
 
「…はぁ~…」
 
 しかし、こんなつまらない話をリインに、この純粋で優しい子に聞かせたくなかった。何か適当に誤魔化そうと、今日他に何があったか記憶をたどる。
 
「…あの上司さんのせいですね…。」
 
 しかしその思考回路は、リインの一言でぶっつりと切断され、はやては驚きの表情を隠せないまま、リインの顔を見た。
 
「…知ってるですよ、はやてちゃん。」
 
 その表情はいつもの優しい笑顔よりもずっと慈愛に満ちていて、いつの間にこんな大人っぽい表情をするようになったんだろう、とはやては思考が止まった頭でそんな事を考えていた。
 
「はやてちゃんが、いつも私達のために頑張ってくれているのは知ってるです。それに、何に苦しんでいるかも…、でも、もし話せるようになったらで良いですから、いつかはやてちゃんの口からそういう事を言って欲しいです…。」
 
 そう語ったリインの顔は、眉をハの字に曲げ困ったような笑顔を浮かべていて、泣きたい気持ちを必死に堪えているようにも見えた。
 はやては思わずリインの頭を両腕で抱え込むと、ぎゅっと強く抱きしめていた。
 
(ごめんな、…リイン)
 
 まだ小さいと思っていた我が家の末っ子がそんなことを想ってくれていたとも知らず、良かれと思って隠していたことが、この子を傷つけていた事実に、はやては胸を抉られるような思いがした。
 
 リインは最初、突然の事に驚いてバタバタと手を振っていたが、はやての想いを感じたのか、ピタリと手を振ることを止めて、為すがままに身を任せると、そっとはやての腰に手を回した。リインのその優しい仕草に、はやては思わず胸が詰まってしまった。同時に、今まで見たこと無いリインの大人の仕草に、はやては心拍数が上がっている事に気づく。
 
(酔ってるせいやろか…?)
 
 はやては本当の気持ちを押しのけて、自分でも白々しい言い訳を考えていた。しかし、一度気が付いてしまうと、体中を包む柔らかいシャンプーの匂いや、布越しでも伝わるふにふにとした柔らかい腕の感触が、はやての心拍数を更に上げていく。
 堪え切れなくなったはやては、抱きしめていた腕の力を弱めると、リインの頭を自身の体からゆっくり離した。
 リインはゆっくりと目を開けると、少し潤んだ瞳ではやてを見つめる。少し強く抱きしめすぎて暑かったのか、汗で髪の毛が頬にくっ付いていた。見上げるような形でこちらを見つめてくるリインが本当に可愛いらしくて、はやてはリインから目を離せなくなった。
 はやては、頬に付いている髪の毛を取ろうとリインの頬に触れると、指から伝わるスベスベした感触に心臓が飛び出しそうなくらいドキドキしていた。そんなはやてに追い打ちをかけるように、リインは目を瞑ると、身を委ねるように差し出された手の方に顔を傾けてきた。
 
 ――ドキン!
 
(か、可愛すぎる……!)
 
 
 …ずっとリインが自分に好意を持ってくれていることは気づいていた。それでも私はそんなリインの気持ちをのらりくらりと躱し続けていた――怖かったから。歳の差も離れていて、女同士という事もあったが、それよりも今ある関係が壊れるかもしれないと思うと、とても怖かった。
 でも、その考えは間違っていたのかもしれない。こんなにも甲斐甲斐しく世話をしてくれて、こんなにも自分の事を信用してくれて、こんなにも可愛らしくて…。
 
(何より、私もリインの事が大好きや!)
 
 はやては、さっきから喧しいくらい聞こえている心臓の音を無視して、両手で顔を包み込むように、空いていたもう一方の手もリインの頬に当てた。その仕草にリインは一瞬だけ驚いて目を開いたが、はやてが顔を近づけると、すっと目を閉じた。
 
 
 リインの唇は蕩けるように柔らかくて、ずっと唇を重ねていたいと思うほどだった。
 
 
 どのくらいの間、唇を重ねていたのだろう。一瞬にも一時間にも感じる時間の後で、二人はごく自然に唇を離した。
 はやては、強い意志を持った眼差しでリインを見つめると、意を決したように口を開いた。
 
「リイン、今まで言えんかったけど、ずっと前からリインの事大好きやったんやで」
 
 はやての言葉に、泣きそうな顔を必死に堪えながらリインも口を開く。
 
「私も、はやてちゃんの事がずっと前から大好きでした…」
 
「ありがとうな、リイン。……これからもよろしくな」
 
「はいです…」
 
 銀色の髪をした少女の大きな瞳から一筋だけ涙が流れたが、その少女の笑顔はとても温かく、幸せそうな顔をしていた。
 
(おわり)

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Author:タイヤキ
サークル「前に詰めて下さい」のページです。
『魔法少女リリカルなのは』と『プリキュア』ネタが多いです。

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タイヤキ:SS担当
こじょ :表紙・挿絵担当
てんぷら:ドット絵、その他

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