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【どんな花火だって構わない】

どうも、SS担当タイヤキです。

昨日、水樹奈々様のライブに参戦してきました!
初参戦でしたが、すっごい楽しかったです…今、思いっきり筋肉痛ですが(笑)

シークレットゲストで日笠さんが出てきたときは、
ずっと鳥肌が立ちっぱなしで、頭もどうにかなりそうでした!!


さて、SSの方ですが、中3ぐらいの設定で考えた「フェイなの」です。
8月ということで、花火をネタにしてます。

乙女モードのなのはさんって結構可愛いと思うんですよね(独り言)

ということで、以下からどうぞ(※百合注意)
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【どんな花火だって構わない】
 
 ミーン、ミンミンミー…
 
 じめじめした鬱陶しい梅雨が明け、照りつける日差しが日に日に勢いを増している八月、なのははうっすらと汗を滲ませながらも、軽い足取りでフェイトの家に向かっていた。
 今日はアリサの家でお茶会をする予定で、一緒に行こうと約束していた。
 しかし、それは口実でしかなく、本当はアリサの家に行く前にフェイトに伝えておきたい事があった。
 
 ピンポーン。
 
 なのははフェイトの家に着くと、大きく深呼吸をしてからインターホンを鳴らした。
 
「なのは、いらっしゃい♪」
 
 ガチャっと玄関の扉が開くと、そこからフェイトが勢いよく飛び出してきた。フェイトの嬉しそうな表情になのはも自然と頬が緩む。
 なのははそのままフェイトの部屋まで通されると、クーラーの涼しい風にほっと一息ついた。しかし、なのははその涼しさに緩みかけた気持ちを引き締め直すと、フェイトの方に向き直った。
 
「フェ、フェイトちゃん!」
 
「ん? どうしたの、なのは?」
 
「…来週の花火大会……なんだけど…、その、…ふ、二人でいかにゃい?」
 
 力を入れすぎて盛大に噛んでしまったなのはは、二重の意味で恥ずかしくなって、顔を真っ赤にして俯く。昨夜あんなに練習したのに、と少しだけ自己嫌悪になる。
 なのはの突然の提案にポカンとしていたフェイトだが、何かに思い当たったような表情を見せると、
 
「うん、いいよ。なのは」
 
 と快く頷いてくれた。
 フェイトの言葉に、なのはは一気に肩の荷が下りたようで、へなへなっと体の緊張を解くと、ふにゃりと力の抜けた顔をフェイトに向けた。
 
「なのは毎年あの花火楽しみにしてたもんね。今年はアリサとすずかがいないから…」
 
 フェイトはなのはのお誘いの真意を勘違いしているらしかったが、そっちの方が都合がいいと思い、なのははその会話の流れに乗った。
 
「そうなの…、でもフェイトちゃん来てくれるから良かったよ~」
 
 ここで本心が言えへんからアカンねん、と親友のツッコミが聞こえた気がしたけれど、無視して話を続ける。
 
「今年のはやてちゃんの花火はどんなのかなぁ~?」
 
「楽しみだね。去年は虹色の特大花火だったっけ?」
 
「そう! あれも綺麗だったよね~」
 
 はやては一昨年から花火師の面々に混じって、打ち上げ花火を作っている。と言っても普通の打ち上げ花火ではなく、魔力を利用した特製花火だ。
 以前、なのはがフェイトのためにスターライトブレーカーの応用で打ち上げ花火をしたことがあったが、その話を聞いたはやてが軽い気持ちで同じことをした所、思いの外面白かったらしく、すっかりハマってしまったそうだ。
 それ以来、地元花火師さん達と毎年競い合っていて、おかげで年々海鳴市の花火大会はレベルが上がってきている。
 
「今年は、シグナムやヴィータまで手伝わされてるらしいから、きっとすごいよ!」
 
「ホント!? うーん…楽しみぃ~!」
 
 なのはは去年よりもレベルアップしているであろう花火と、その花火をフェイトと二人きりで観に行ける事に心を躍らせていた。
 
 
   ◇
 
 花火大会の前日、なのはは家で明日着て行く浴衣をチェックしていた。
 
 自分の好きな色はピンクだけど、もう中学三年生だし大人っぽく紺色の方がいいかな、…それともフェイトちゃんとお揃いっぽく黒色の浴衣にしようかな、などと鏡の前に立って、とっかえひっかえ手持ちの浴衣を試していた。おかげでベッドの上や床に浴衣が散乱していて、部屋の中は足の踏み場もない状態になっている。
 
 苦悩の末、なのはが選択した浴衣は、全体を淡いピンク色で染め上げ、随所に桜の花びらをあしらった一品だった。やはり自分に合うものを着た方が、フェイトも喜んでくれるのではないかと考えた結果だ。
 なのはは鏡の前で浴衣を合わせながら、何度も明日の事を想像してニヤニヤしていた。
 
 ピー、ピー
 
 そんな折、突然通信が入った。
 なのはは訝しがりながらも、軽く息を吐いてから応じた。
 
「あ、なのは…」
 
「フェイトちゃん!?」
 
 先ほどまで想っていた人がモニタの向こうに現れたことで、なのはのテンションが一気に上がった。しかし、フェイトの表情が曇っていることに気づいて、盛り上がっていた気持ちはすぐに萎んでしまった。
 
「どうしたの、フェイトちゃん…何かあった?」
 
「うん……、あのね、なのは…」
 
 フェイトの表情から、なのはは何となく嫌な予感がした。
 傷つきたくなくて、なのはは先にその嫌な予感をフェイトに問いかける。
 
「もしかして、明日お仕事が入ったとか?」
  
「…うん、そうなんだ……ゴメンなのは」
 
 行って欲しくない、と本心を口にできたらどれだけ良かっただろう。
 けれどなのはは、どうしてフェイトちゃんが謝るの、仕方ないよ、と平静を装いながら応えた。
 
 
 心の中でスーッと何かが引いて行くのを感じた。
 
 
 
   ◇
 
 簡単な任務だから花火大会には間に合うと思う、とその場では言ってくれたが、なのははフェイトが間に合わないだろうと予想していた。それでもなのはは、昨夜選んだ浴衣を着てフェイトと約束していた場所へ向かった。
 
 
 目的の場所に着くと、花火を見ようと大勢の人が場所を取っていた。その隣には屋台が所狭しと並んでいて、美味しそうな匂いがここまで届いてくる。
 ――16時45分。
 腕時計に目をやると、まだ集合時間までには15分程ある。なのはは屋台に視線を戻すと、男女のカップルが楽しそうに腕を組んでいる姿が目に入って、少しだけ表情を曇らせた。
 
 ――16時55分。
 あと5分で集合時間だ。なのはは少しだけ期待に胸を膨らませている自分に気づいて、心の中で苦笑いした。
 
 
 ――17時30分。
 約束の時間を過ぎてしまった。お仕事だから仕方ないよね、となのはは自分に言い聞かせるように呟いた。それでも、なのはは一縷の望みに縋るように、その場を動こうとはしなかった。
 
 
 ――17時55分。
 もうすぐ花火大会が始まる。観客たちは花火を見るために移動したらしく、屋台の方を見るとガランとしている。
 
 
 ――18時05分。
 なのはは花火の打ち上がる音を背中に受けながら、その場を後にした。
 
 
 その日の夜、フェイトからなのはに連絡はなかった――。
 
 
   ◇
 
 花火大会から一週間が立ったが、依然フェイトから連絡は無かった。花火大会は、はやて一家と海鳴市の花火師達との壮絶な戦いとなり、最後の打ち上げ花火では多くの人を魅了し、大成功の元にその幕を閉じた。
 
「はぁ…」
 
 なのはは学校の机に肘をついて、ため息をついた。窓の外を見ると、隣のクラスの生徒がゾロゾロとグランドに向かって歩いているのが見える。どうやら次の授業は体育のようだ。
 
「それにしても、フェイトちゃん帰ってけぇへんねぇ」
 
 なのはのため息に合わせるように、はやてはなのはに言葉をかけた。
 
「うん……、管理局に聞いても任務中としか教えてくれないし、通信してみても一向に出てくる気配がないし…」
 
 なのははいじけたように唇を尖らせながら、はやてに愚痴っていた。その愚痴にはやては眉を八の字に曲げ、困ったような表情でなのはを宥めた。
 すると突然、ブーッ、ブーッとポケットに入れていた携帯電話が震え、なのははおもむろに取り出した。
 携帯電話のディスプレイを見ていたなのはの表情がみるみる明るくなって、はやては安心したようにため息をついた。
 
「はやてちゃん! フェイトちゃん今帰ってきたんだって!!」
 
「そーか、そーか、それは良かったなぁ」
 
「うん! それでね、今日アリサちゃんやすずかちゃんも誘ってフェイトちゃん家行かない?」
 
 いきなり舞い込んだ嬉しい知らせに、なのはは目を輝かせながらはやてに提案する。
 最近のなのははフェイトの家に遊びに行く際、何かしらの理由を用意するようになっていた。理由が無いと、フェイトの家に足を踏み入れる勇気が持てないようだった。
 
「うん、ええよ。じゃあ、すずかちゃんとアリサちゃんには私から言うとくわ」
 
 はやてはなのはの見え見えの思惑に素直に従う。はやてとしては、なのはとフェイトの関係が時々まどろっこしいと思う反面、そんな二人を観察するのが楽しくもあり、今のところ傍観者に徹している。
 
「ありがとう、はやてちゃん!」
 
 はやてに感謝の意を表すと、なのはは再び携帯電話に視線を落として、ニヤニヤし始めた。
 その様子に、どんだけ恋する乙女やねん、とはやては心の中で突っ込むと、踵を返してすずかとアリサの元に向かった。
 
 
   ◇
 
 放課後、フェイトの家に四人で行くと、フェイトの元気そうな顔に迎えられて、一同は心の底からホッとした。
 フェイトの部屋に上がると、早速すずかが持ってきたお菓子を広げて五人で囲んだ。フェイトがずっと連絡できなかったことを謝ると、アリサが委員長のようにブツブツと文句を言い、なのはが必死に擁護した。
 そんな三人の様子をすずかとはやてはニコニコともニヤニヤともつかない表情で眺めていた。
 
 
 日が沈んですっかり辺りが暗くなった頃、玄関でフェイトに見送られながら、なのは達は家路についた。
 
「なのは!」
 
 突然背後から声をかけられて、四人は足を止めて振り返ると、そこには、先程別れたばかりのフェイトの姿があった。
 
「あ、あのね、なのは…」
 
 フェイトはなのはの前まで行くと、言い難そうに両手を胸の前でギュッと結んだ。
 
「ほな、ウチ等はお暇させてもらうわ~、行こか、アリサちゃん、すずかちゃん」
 
 そんな様子を見たはやては機転を利かせると、すずかがそれに同調した。
 
「あ、うん…」
 
 はやての言葉にフェイトは素直に頷く。はやては、小動物のようなフェイトの仕草に微笑むとすずかと一緒に状況の呑み込めていないアリサを引っ張って行ってしまった。
 
「あの、…フェイトちゃん?」
 
 言外に、どうしたの? と問いかけると、フェイトはハッとしてなのはの方に向き直った。
 
「あのさ、先週の花火大会に行けなかったお詫びに、花火を買ってきたんだけど一緒にどうかな?」
 
「うん…」
 
 予想外のフェイトのお誘いに、なのはは高鳴る胸の鼓動を抑えることができず、俯いたまま返事をした。
 
 
 買っていた花火はコンビニで売っているような一般的な物だったが、色鮮やかな花火に照らされたフェイトの表情はゆらゆらと揺らめいていてとても幻想的だった。
 なのはは、幻想的な雰囲気にのぼせたせいか、どうして連絡してくれなかったの? とか、ずっと寂しかったとか、心の中に仕舞ってあった気持ちがポロポロと零れ落ちる。そんな我が儘を、ゴメンねとフェイトが優しく包む度に、なのはの心はキュッと締め付けられて苦しくなった。
 
「…フェイトちゃん」
 
 ボーっとフェイトに見惚れてしまっていたなのはは、無意識に想い人の名を小さく呟いてしまって、慌てて視線をずらした。
 
「ん? なあに、なのは?」
 
 フェイトの優しい口調に、なのははドキドキしながらチラリと視線を動かすと、紅の瞳が優しく揺らめいていて、さらに胸の鼓動が早くなった。
 
 今が夜で良かった、と思いながらなのはは、フェイトの方に向き直ると
 
「今日は、ありがとうフェイトちゃん♪」
 
 と言って、満面の笑みを浮かべた。
 
 
 
 
 翌日、はやてに昨日の様子を聞かれて、なのははありのまま答えると、すごいガッカリした表情を浮かべられたのは、また別の話。
 
 
 
(おわり)
 
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ジャンル : アニメ・コミック

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