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【にこまき物語 第一話】

どうも、SS担当タイヤキです。

今週のドキプリは、アリサちゃん大活躍&激可愛くてテレビの前で悶えてました(キモイ
おかげで益々、今後のアリサちゃんから目が離せなくなりました(笑)

さて、今回のSSですが、今までの趣向から大きく変わっております。

ラブライブ!スクフェスを進める内に、「にこまき書きたい!」となった上に、
なぜか突然ファンタジーを書きたくなった結果、こんな事になってしまいました……。

申し訳ありません!!(土下座)
……先に謝っておきます。


尚、用語説明等はこちらに記載しています→用語説明
では、以下からどうぞ(※百合注意)
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【にこまき物語 第一話】
 
「はー、ここは何年経ってもあんま変わんないわね」
 
 少女は久しぶりに訪れた町の感想を口にした――。
 
 ここは”ノギザカ”。
 平穏な空気に包まれた町で、路往く人々もどこかゆったりしている。少女は町の入口で中の様子を一通り確認すると、背中に背負った大きな斧をガシャガシャと鳴らしながら、町の中心部へ向かって歩き始めた。
 
 
 しばらく歩くと、懐かしい顔に遭遇して、少女は大きな声を上げる。
 
「真姫ちゃ――――ん!」
 
 真姫と呼ばれた少女は、呼ばれたほうを向くと、相当に驚いたようで、大きく目を見開いた。思わずショルダーバッグを肩から落としそうになった。真姫は慌ててバッグを肩にかけなおすと、声の主の方へと駆け寄る。
 
「ニコちゃん!? 何時、戻ってきたの?」
 
「さっきよ! …………何、そんなに嬉しそうにしちゃって、そんなにニコと会えなかったのが寂しかった?」
 
 今にも飛び跳ねだしそうな表情で近づいて来た真姫に対して、ニコは意地悪な笑顔を向ける。
 
「な、、、そ、そんな事ないわよ。ニコちゃんが居なくて、毎日平和だったし……」
 
 図星を突かれた真姫は顔を真っ赤にしてそっぽを向いてしまった。ニコは昔から変わらない真姫の反応に懐かしさを覚えた。
 
「でも良くニコの事覚えてたわね、……ありがとう、嬉しい♪」
 
「う゛えぇぇ!?」
 
 ニコは、真姫が自分の来訪を喜んでくれている事に素直に感謝した。一方の真姫は、予想していなかったニコの言葉に、どんどん顔が熱くなってくる。
 
「べ、別にそんな前のことじゃないし…………今じゃニコちゃん有名人だし……」
 
「有名人?」
 
 ”有名人”という言葉を口にした途端、真姫は小さな子供のようにしょんぼりとする。しかしニコは、自分には縁遠いと思われる言葉に首を傾げた。
 
「え!?」
 
 そんなニコの態度に、真姫はハッとする。普通には考えられない事ではあるが、非常識の称号を欲しいままにしている彼女なら……、と考えを巡らす。
 
「……ニコちゃん、もしかしてだけど……」
 
「――何よ?」
 
 真姫の態度に、バカにされると思ったニコはジト目で応じた。ニコのその態度が益々真姫の予想を確信に変えていく。
 
「ニコちゃん、最近倒した強い魔物が居たでしょ。アレが何者なのか知らないんじゃ……?」
 
「ん? あー、この間希と絵里と倒した奴? 何かやたらと強かったんだよねー…って、どうして真姫ちゃんがその事知ってんの?」
 
 ――――やっぱり!
 
 予感が的中して、真姫は軽く頭を押さえた。
 ――真姫の中でニコの非常識ポイントがまた一つ上がった。
 
「……ニコちゃん、それ魔王だったんだよ!!」
 
「へぇー…、あ! だから、やたらこの間賞金貰えたんだ! なるほどー……」
 
(この顔は、絶対にわかってない!)
 
 バンッと両肩を叩いて声を張り上げた真姫に押される格好になったニコは、さも知っている風を装っているつもりなのだろうが、その目は完全に泳いでいる。おそらく”魔王”がどういう者か分かっていないのだろう。
 
 ……昔からこうだ。
 
 ニコは大雑把な性格な上、考える事が嫌いなため、どんなに突拍子のないことでも、平気な顔をしてやり遂げる時がある。今回はまさにソレだった。
 ”魔王討伐”というニュースは全世界に広まり、ニコは今、時の人だ。だからもう二度とこんな錆びれた町には来てくれないだろうと、真姫は諦めていた。けれど――。
 真姫は目の前でポカンとしているニコを見て、グルグルと出口の無い事を考えていた自分が可笑しくなって、涙を溜めながら声を上げて笑った。
 
「アハハハハ、もう、ニコちゃん、面白い!」
 
 真姫に思いっきり笑われて、ニコは面白く無さそうに口を尖らせてそっぽを向く。笑われている理由がハッキリしない事も、ニコにとっては面白くなかった。
 
「――ふん、もういいわ、じゃあね真姫ちゃん!」
 
「あ――待って、ニコちゃん」
 
 ふくれっ面のまま、その場を立ち去ろうとするニコを、真姫は慌てて止める。しかし、ニコはその制止を無視してスタスタと歩いていく。
 
「ちょっと、待ちなさいってば――ねぇ!」
 
 真姫はそう叫ぶと、慌ててニコの後を追いかけた。ニコの隣に並ぶと、真姫は嬉しくなって思わず頬が緩んだ。
 
 昔、自分を助けてくれた王子様と一緒に歩いている――。
 それは、真姫がずっと願い続けてきた夢が現実になった瞬間だった。
 
 
 
   ◇
 
 
「ニコちゃん、これからどうするの?」
 
 真姫は中央広場に着いた所でニコに尋ねた。
 
「そうね、まずは酒場で情報収集かしらね」
 
 その話を聞いて、真姫の背中にヒヤリとした汗が流れた。
 嫌な予感を抱きながら、真姫は少し掠れた声でニコに続けて質問する。
 
「……それって、次のターゲットの話?」
 
「ええ、そうだけど?」
 
 ニコは、胸の前で両手をギュッと握っている真姫の態度に疑問を抱きながら、質問に答える。
 予想した通りの答えが返ってきて、真姫はビクッと小さく肩を震わせた。
 
「どうして?」
 
 ポツリと真姫の口から寂しい思いが零れる。
 
「……どうしてって、そりゃそれが私の仕事なんだから……」
 
 ニコは質問の真意が分からず、困惑しながら答える。
 
「だって、ニコちゃん、この間魔王を倒したんだから、お金はあるんじゃないの?」
 
「まあ、確かにあると言えばあるけど……」
 
 ニコの職業である”モンスターハンター”は、各都市から依頼されるモンスターや悪魔の討伐を完遂する事で、報酬を得て生計を立てている。一昔前までは、己の腕っぷしだけで繰り出す人々が多かったらしいが、今では酒場で十分な情報を集めてから討伐へ向かうのが基本的なスタイルになっていた。
 つまり、酒場に行くという行為は、農家が畑へ行く事と同義で、そんな日頃と変わらない行動を取るニコに対して難色を示す真姫の態度は、ニコをひどく困惑させた。
 
「だったら、いいじゃない。そんな危険な事をしなくても! 家ならウチに来ればいいし……」
 
 ニコはその言葉にハッとなって、真姫の顔を見上げる。
 必死に声を張り上げる真姫の姿は、一人でお留守番をする時、親に駄々をこねている小さい子供のようで、ニコはようやく一つの結論にたどり着いた。
 
「――大丈夫よ、真姫ちゃん。しばらくはこの町に居るつもりだから」
 
 ニコはポンと手を真姫の頭に載せると、子供をあやすようにポンポンと軽く叩く。ただし、真姫の方が身長が高いので、ニコは自然と爪先立ちになる。
 真姫はニコの言葉に安心すると、良かった、と言ってふにゃりとした笑顔を見せた。
 
 ――珍しい。
 
 ニコは初めて見る真姫の表情に、野良猫を飼いならした気分とはこういう事なのかなと、ぼんやりと思った。
 
「……そうだ!」
 
 真姫の顔を眺めていると、ある事を思いついて、ニコは声を上げる。突然のニコの叫びに、真姫は何事かと目を大きく開いて驚く。
 
「真姫ちゃん! せっかくだから、ちょっと一緒に依頼こなしてみない?」
 
 ニコのキラキラした瞳に圧されながら、真姫はこの後のスケジュールを頭の中で確認する。今日はもう学校も終わって、買い物も済ませた。明日の予習が残っているが、まだ十分に時間はあるのだから、少しくらいニコに付いて行っても良いだろう……、そこまで考えてから真姫は答えた。
 
「仕方ないわね、そこまで言うなら、一緒に行ってもいいわよ」
 
 本心とは裏腹にきつい言い方になってしまったが、ニコは気にした様子もなく、ニッと笑うと真姫の手を取り、ずんずんと酒場に向かって歩いていった。
 
 
 
   ◇
 
 
「はぁぁぁ!」
 
 ニコは掛け声と共に、斧をブンブンと振り回し、モンスターを蹴散らしていく。その戦闘力は凄まじく、ニコの斧が繰り出す風圧だけでモンスターを吹き飛ばしてしまうほどだ。
 バッサバッサと敵を蹴散らしているニコに負けじと、真姫は手に持った杖の先をモンスターに向けると、呪文を唱え始める。
 
「火の精霊よ、我が魂の呼びかけに応えよ……フレア!」
 
 ゴウッという音と共に、掲げた杖の先から火の塊がモンスター目掛けて飛んでいく。
 
「へぇ……」
 
 真姫の様子を横目で見ていたニコは驚きの声を上げる。
 以前会った時はモンスターに怯えていただけだったのに、何時の間にこんなに強くなったのか……などと考えていると、ニコの脳裏に二年前の出来事が蘇った。
 
 
 
 ニコがこの町を出ていく前日、真姫はニコと離れたくないとすっかり拗ねてしまって、近所の森の奥深くまで行ってしまった事があった。もうすぐ日が暮れるという時間で、周りの大人も大慌てで真姫を探したけれど中々見つからず……。太陽がすっかり沈んだ後も捜索は続いた。
 そんな中、突然ニコ達の耳に森の奥から悲鳴が聞こえ、慌ててその声の方へ向かうと、そこには体を縮こまらせて小さく震えている真姫と、鈍く光るいくつもの目があった。その目がモンスターのものであることは、真っ暗闇の中でもすぐに分かった。
 その光景を目にしたニコは血液が逆流しているような感覚を覚え、全力で真姫の前まで駆け寄ると、目の前の光一つ一つに全力の拳をお見舞いした。
 複数いると思っていたモンスターはどうやら一匹だけのようで、蛇のような太く長い胴体にいくつもの目がくっ付いていた。大蛇はニコの攻撃で思いっきり森の奥へ吹き飛ばされて見えなくなった。
 吹き飛ばされた大蛇は再び襲ってくる様子もなく、静寂が辺りを包む。
 しばらくしても、敵は襲ってこないので、ニコは戦闘態勢を解いて後ろを振り向く。
 
「もう、こんな奥まできて…………随分探したわよ」
 
「あ……、あ…………」
 
 余程、恐ろしかったのか真姫の頬は涙でかなり濡れていた。なおも怯えている真姫の姿に、私は自分自身に怒りを覚えたが、反省は後と割り切る。小さく体を震わせる真姫を刺激しない様、ゆっくりと抱え上げると私達はそのまま森を抜けたのだった――。
 
 
 そんな昔話に思い耽っている間に、周囲の敵は一掃されていた。どうやら三分の一ほど真姫が倒したようだ。
 今回の討伐対象である”クレイジードッグ”は一匹の戦闘力は高くないとは言え、常に集団で襲ってくる厄介なモンスターだ。にも関わらず、真姫は特に苦戦する様子もなく、目の前のモンスター共を倒したようだ。
 
「真姫ちゃん、いつの間にかすっかり強くなっちゃてぇー♪」
 
 ニコは斧を背中に戻しながら、からかうような目をして真姫の方へ向き直る。
 
「わ、私だってこれぐらいできるわよ!」
 
 真姫は頬を赤く染めながらも、突っ慳貪に言い放つ。初対面の人からすると、真姫の態度は腑に落ちない所があるかもしれないが、単に照れているだけだということがニコにはすぐ分かった。昔から変わらない真姫に思わず笑みが零れる。
 
「……何よ、ニヤニヤして」
 
「別に♪ さっさとボスを倒すわよー! さ、行こう真姫ちゃん!」
 
「うん……」
 
 伸ばされた手を真姫は恥ずかしそうに掴む。
 ニコはその手を引っ張ってどんどんと洞窟の奥へ進んでいった。
 
 
(おわり)
 
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テーマ : ラブライブ!
ジャンル : アニメ・コミック

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サークル「前に詰めて下さい」のページです。
『魔法少女リリカルなのは』と『プリキュア』ネタが多いです。

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こじょ :表紙・挿絵担当
てんぷら:ドット絵、その他

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