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【大晦日】

どうも、SS担当のタイヤキです。

ぎりぎり間に合いましたぁ~…。

今年一年、当サークルへお越し頂きありがとうございましたm(_ _)m
来年もお越しいただけると嬉しいです♪

さて、本日はコミケ3日目でしたが、参加された方はお疲れ様でした!
何だかすごい人数だったようで(汗
かくいう私はツイッターで状況見ていましたが、楽しそうだなーと思ってました(笑)
来年は、ウチのサークルももっとイベントへ参加していけるよう頑張りたいですね!

そして、今年最後のSSは「大人なのフェイ」になります。
来年はもっといい文章を書けるよう頑張っていきたいと思います!

では、以下からどうぞ(※百合注意)

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【大晦日】
 
「フェイトちゃん、そっちの準備はどう?」
 
 なのはは荷物袋を両手に下げた格好のまま、モニタの向こう側に写っているフェイトに話かけた。
 
「うん、順調だよ、なのは。なのはの方はどう?」
 
「うーん、まだちょっと買いたい物が残ってるかなー……」
 
 なのはは両手の荷物をチラリと見ると、フェイトに苦笑いを作ってにゃははと笑いかけた。
 両手に下がっている買い物袋の量の多さにフェイトは困った表情に変わる。
 
「もー、買いすぎだよ、なのは! 他に何を買おうとしてるの?」
 
「いや~……年末だし、電気製品とか安くなってないかなー、と思いまして……」
 
 流石にバツが悪いのか、最後のほうは尻すぼみになってしまった。一方のフェイトは、なのはの言葉を聞いて途中からジト目になってなのはを睨んでいる。
 
「……………………なのは!」
 
「は、はい!!」
 
 フェイトの低い声に、なのはは背筋をシャンと伸ばして次の言葉を待つ。
 叱られると思っているなのはは、フェイトの顔をまともに見ることはできない。
 そんななのはの様子に、フェイトは深いため息をつく。
 
「……なのはは、毎日お仕事頑張ってるし、あまり買い物しないから、別にいいけど……あんまり買いすぎちゃダメだよ」
 
「フェイトちゃん……」
 
 フェイトの言葉でなのはの表情はパァッと笑顔に変わる。その表情を見て、フェイトは諦めたように軽くため息をついた。
 
「ありがとう、フェイトちゃん♪ じゃあ、また後でね」
 
「うん、なのは。……また後で」
 
 なのはは通信を切るとサイドポニーの髪を大きく揺らして歩き出す。フェイトの許可が下りたこともあってか、なのはの頬は緩みっぱなしだった。
 
 
 
   ◇
 
 
 
「はぁ……」
 
 通信を切るとフェイトはまた一つため息をついた。
 なんだかんだとなのはを甘やかしてしまうのは、今に始まったことではないが、それにしても甘やかし過ぎだと、先日はやてに言われたばかりだった。
 でも、とフェイトは先ほどのなのはの笑顔を思い出して、ふにゃりと頬を綻ばせる。あの笑顔を見れなくなるくらいなら今のままで問題ない気もしている。
 
「よし! さっさとお料理終わらせちゃおう!」
 
 パンっと軽く頬を叩いて気合を入れ直すと、フェイトはキッチンに向かった。
 
 キッチンに戻ると、エプロン姿のヴィヴィオが電話で抜けたフェイトの穴を埋めようとせっせと料理をしていた。
 
「ごめんねヴィヴィオ、少し遅くなっちゃった」
 
「ううん、大丈夫だよフェイトママ」
 
 フェイトがヴィヴィオの方を覗き込むと、フェイトが居ない間に二品ほど作り終えていた。
 
「あ、ヴィヴィオすごい! こんな所まで終わったの?」
 
「エッヘン! これでもフェイトママの娘ですから」
 
 そう言うと、ヴィヴィオは誇らしげに胸を張った。その仕草が可愛くて、フェイトは無意識にヴィヴィオの頭を撫でる。
 
「じゃあ、二人でさっさと終わらせちゃおっか」
 
「うん! なのはママを驚かせちゃおー!」
 
「そうだね♪」
 
 フェイトはエプロンを着ると目の前の食材に手をかけた────。
 
 
 
 フェイトとヴィヴィオはせっせと料理をしている……。
 
「わー! フェイトママ! 砂糖入れすぎ!」
 
「あー! ちょっと、それは砂糖入れなくていいから~!」
 
 しかし、キッチンにこだましているのはヴィヴィオの声ばかりだった。リンディに育てられたフェイトは、基本的に料理の味付けが甘くなる傾向にある。そのため、フェイトが料理をする時は、なのはかヴィヴィオどちらかが監視役をしていることが多い。今回もフェイトが料理を甘くしようとする度に、ヴィヴィオが注意をしていたのだ。
 それにしても、ここ最近は注意する回数が減っていたはずなのに、今日はなんだか妙に多い気がする、とヴィヴィオは不審に思ってフェイトの方を見る。
 
「~~♪」
 
 フェイトは満面の笑みを浮かべ、鼻歌まじりに料理をしていた。余程機嫌が良いようで、周りが花が咲いていると錯覚してしまうほどだ。
 
 それも仕方がない事だと思う。
 
 元々ミッドチルダにはお正月という概念はなく、年末年始という考え方も希薄なため、世間的には今日も普通の生活を送っている人が多い。
 しかしここ高町家では、毎年三十一日と一月の一日から三日までどっちのママもお休みを取って、家族三人で過ごすようにしている。職場でも理解はしてくれているらしく、年末年始の休みはすんなりと許可してくれると、以前なのはママが言っていた。……その代わりに別の所で無茶してなければいいんだけど……。
 家族三人でゆっくり過ごすことができる貴重な日だから、なのはママもフェイトママも本当に嬉しそうで……だから今日はこんなに凡ミスが多いのも仕方がないと思う。そして、そんな二人を見ると自然とこちらも顔がにやけてしまうのだから、あまり人のことは言えないと思う。
 
 ヴィヴィオはそんなことを思いながら、こうなったら自分がしっかりしなくてはと軽く頬を叩いて気合を入れなおす。
 その後も、ご機嫌な母親の監視をしながら、一つずつ料理を作っていった────。
 
 
 
   ◇
 
 
 
「たっだいまー♪」
 
 フェイトとヴィヴィオは料理を済ませ、リビングでゆっくりしていると玄関からなのはのご機嫌な声が響いてきた。
 その声に促されるように二人が玄関に向かうと、よく玄関に入ったなと目を疑うほど大量の買い物袋に目を回した。
 
「な、なのは……」
 
「ん? 何フェイトちゃん? あ、これ? これはね、Audio○eck社製のアクティブスピーカーで────」
 
 買いすぎだと注意する間もなく始まったなのはのマシンガントークにフェイトは何も言えなくなった。なのはの笑顔を眩しそうに目を細めて受け止めている。
 
「もー! なのはママ買いすぎだよ!!」
 
 見かねたヴィヴィオがフェイトに代わって、声を張り上げてなのはを非難する。自分の娘に注意されて流石のなのはもバツが悪そうな表情に変わる。
 
「そうだよ、なのは! 程々にって言ったでしょ!」
 
 なのはの表情が変わると、フェイトも我に返ったような表情になってヴィヴィオの言葉に乗りかかった。なのはは頭を掻きながらつい…と弱々しい口調で応えている。
 
「それに! スピーカーなんてウチにはいらないでしょ! それに、これもこれも……イヤホンなんてどこでつかうの??」
 
 ヴィヴィオの容赦のない指摘に、なのははどんどんと小さくなっていく。そんな母の姿に少し心を痛めつつも、ヴィヴィオは心を鬼にして注意した。
 
「いや……その、海鳴に帰ったとき……とか?」
 
「もーー!」
 
 それでも、往生際悪くなのはが言い訳をするので、ヴィヴィオはかーっと頭に血が上ったようで顔を真っ赤にしている。
 
「ま、まあまあ、ヴィヴィオ落ち着いて」
 
 フェイトに宥められ、荒い呼吸を落ち着かせるようにヴィヴィオは深呼吸を繰り返していく。
 
「なのはも、今後はもう少し考えてね」
 
「はーい……ごめんねヴィヴィオ」
 
 そういって、なのははぽんとヴィヴィオの頭に手をのせる。
 二人の母親に宥められると、すーっと荒ぶっていた心が落ち着いてきたようだ。そして、恥ずかしそうに顔を俯せて、黙り込んでしまった。
 フェイトはそんなヴィヴィオを微笑ましく眺めた後、気を取り直したように両手でパンと手を叩く。
 
「さ、料理が冷めちゃうから、リビングに戻ろう! なのははちゃんとそれ片づけてきてね♪」
 
「はーい♪」
 
 なのははフェイトの言葉に軽く応えると、軽々と買い物袋を持ち上げて自分の部屋に向かっていく。さすが教導隊で鍛えているだけあって、細い腕の見た目に反して力持ちだ。
 
「ほら、ヴィヴィオ」
 
「う、うん」
 
 ぽんとヴィヴィオの背中を軽く叩くと、ヴィヴィオもようやく顔を上げてくれた。まだ少し照れくさいのか少し頬が赤い表情も、とても愛らしいとフェイトは思いながら、リビングへ向かっていった。
 
 
 
    ◇
 
 
 
 夕食では、半分以上をヴィヴィオが手掛けた料理が並び、なのはとフェイトはその料理に舌鼓を打っては、自分の娘は将来シェフになれると存分に親バカっぷりを発揮していた。
 それもひと段落して、食事を終えた三人はリビングでテレビを見ながらのんびりしていた。それぞれの手にはなのは特製のコーヒーとキャラメルミルクが入ったマグカップが握られている。
 
 ──時刻は午後十一時。
 
 日頃、早寝早起きなヴィヴィオにとってはつらい時間帯で、こっくりこっくりと大きく船をこぎ始めている。それでも頑なに自分のベッドには行こうとはせず、カップを握りしめて必死に眠気に耐えている。
 そんな愛娘の様子を二人の母親は微笑ましそうに眺めていた。時折、二人で目が合うとお互いに嬉しそうに笑い合いながら、穏やかに時間だけが過ぎていく。
 穏やかな時間の中で、なのははまた来年もこうして三人一緒に入れるように頑張ろう、と心の中で力強く誓う。そして、ミッドチルダには年末年始の文化がないけれど、こうして年の瀬に家族一緒に居ることは間違いじゃないと再確認していた。
 
 
 
 ……ピー、ピー
 
 もうすぐ年越しというタイミングで、突然フェイトに通信が入った。その呼び出し音はテレビの音にかき消されそうなほど小さい音だったが、誰もが気づいた。フェイトは慌ててリビングから出ると通信を受けとった。すると、モニターにはシャーリーの申し訳なさそうな表情が映し出された。
 
「すみません、フェイトさん……」
 
「ううん、大丈夫! それよりもどうしたの?」
 
 フェイトは頭を仕事モードに切り替えて、しっかりした口調でシャーリーに問いかける。
 
「実は……」
 
 シャーリーはまだ現状が把握し切れていないのか、珍しく言い淀んでいる。よく見ると、顔面が真っ青で、額には汗が滲んでいた。
 シャーリーの様子に、只事ではないと判断したフェイトは別のパネルを開いて、管理局のデータベースにアクセスし、ここ数時間の出来事をさっと流し見る。
 
「……大規模次元振……?」
 
 フェイトの指が止まって、思わず口から声が漏れた。
 たった数時間前に、別の世界で大規模な次元振が発生している。
 
「はい……そうなんです。ただちょっと事情が入り組んでいまして、外部通信では……」
 
「……分かった。詳しいことはそっちに行ってから聞くよ」
 
 その後、シャーリーと軽く事務確認をして通信を切った。
 フェイトがリビングに戻ると、重苦しい空気が流れていた。その原因がこちらを見向きもしないなのはにあることはすぐに分かった。一方のヴィヴィオはどうしていいか分からず、オロオロと戸惑った表情でこちらを見ている。
 フェイトは意を決してなのはの座っている前に膝をつく。一瞬だけ目が合ったが、すぐに反らされてしまった。
 
「……ごめん、なのは」
 
「………………」
 
「どうしても、仕事に行かなきゃいけなくなったんだ」
 
 顔を背け頑なに口を開こうとしないなのは。それでもフェイトは懸命の説得を続ける。
 フェイトは目が合った一瞬でなのはが寂しいだけなのだと確信していた。寂しくて寂しくて小さな子供のように拗ねてしまう、その気持ちはなのはと一緒に生きていく中で自分の中にも出来た大切な気持ちの一つだ。
 
「………………せっかく三人そろってのお休みだったのに」
 
 フェイトの懸命の説得により、ようやくなのはは口を開いた。顔は依然背けたままで、口を尖らせてはいるものの、その口調には少しの諦めが滲んでいた。
 
「うん、そうだね」
 
「………………今日はお休みって言ってたのに」
 
「ごめんね、なのは」
 
 フェイトはできる限り優しい口調を保ったまま、なのはに応え続ける。
 なのはは、堪え切れなくなったように突然フェイトの方を向くと、両腕を広げてフェイトに飛び掛かってきた。フェイトは倒れないように慌ててなのはを抱きしめた。
 
「……なのは?」
 
「………………ちゃんと帰ってきてね」
 
「なのは……大丈夫、ちゃんと帰ってくるよ」
 
「ホント?」
 
「うん、ホント」
 
 フェイトの言葉を聞いたなのはは、体だけ離してフェイトの顔を見つめる。その瞳は涙が溜まっていて、今にも零れ落ちそうだ。
 
「ホントにホント?」
 
 涙目のまま、震える声でなのはがもう一度同じ質問を投げかけてきて、フェイトは自身の身を案じてくれている彼女の優しさに、熱いものが胸に込み上げてくる。
 
「ホントにホント、今まで私が嘘ついたこと、ある?」
 
「ううん……」
 
 フェイトが優しく聞くと、なのははポニーテールを揺らしながら首を横に振る。
 
「────っん」
 
 すると、突然フェイトの唇に柔らかい感触が重なった。
 
「……願掛け、フェイトちゃんがちゃんと帰ってこれますようにって」
 
「なのは……ありがとう」
 
「行ってらっしゃい、フェイトちゃん」
 
「行ってきます、なのは」
 
 お互いに挨拶を交わすと再び熱いキスを交わす。
 
「あのー、私もいるんですけどー」
 
 ヴィヴィオの茶々が入りながら、フェイトは局へ向かっていった。
 
 
 
   ◇
 
 
 
 フェイトが家を飛び出した後、少しだけ静寂が部屋の中を包む。気まずくなったヴィヴィオが口を開いたが、その沈黙を破ったのはなのはだった。
 
「明日海鳴に帰ろっか♪」
 
「ええええええ!?」
 
 先ほどまでのやり取りは一体何だったのか、とヴィヴィオは驚きを隠せずに声を張り上げてしまう。
 
「だって、あの様子じゃあフェイトちゃん三日間帰ってこないだろうし、それなら二人でどっか行きたいじゃん」
 
 なのはの言い訳にヴィヴィオは眉をひそめる。そんなヴィヴィオからは大人の言い訳に騙されないぞという強い意志を感じる。しかし、そんなヴィヴィオにお構いなしになのはは言い訳を続ける。
 
「でも、どこかへ行こうにも今からじゃ間に合わないし……で、よくよく考えてみたら、丁度日本も正月なんだから、実家に帰省すれば旅行気分も味わえてお得かなって」
 
 ヴィヴィオはそんななのはの説得に騙されまいと、ひそめた眉を微動だにさせない。
 
「お父さんやお母さんもヴィヴィオに会いたがってたし……」
 
 その言葉にヴィヴィオの眉はピクリと反応した。そこを見逃さなかったなのはは立て続けに捲し立てた。
 
「あー、きっとヴィヴィオが行ってくれたら、お父さんとお母さんは泣いて喜ぶだろうなー、もう二年ぐらいあってないしなー」
 
「ううう……」
 
 流石のヴィヴィオも、心が大きく揺さぶられているようで、困ったような表情に変わっていく。もうひと押しだと確信したなのはは、最後の追い込みにかかった。
 
「あー、ヴィヴィオが来てくれないと知ったら、両親とも大泣きするんだろうなー、可哀想だなー……」
 
 チラチラとヴィヴィオの表情を確認しながら、言葉を選んでいくなのは。しかし、ついにはヴィヴィオも腹を括ったのか、諦めたようにため息をついて、
 
「もー……分かりました! ヴィヴィオも海鳴に行きます!」
 
 と、ギブアップ宣言をしたのだった。
 
 
 
 次の日の朝、荷物を用意して家を発つ準備を進めた二人は、朝食を摂っていた。
 
「あ、そういえば、もしフェイトママが三日までに帰ってきたらどうするの?」
 
 ヴィヴィオはのんびりと朝食を摂っているなのはに問いかけた。そういえば、実家にも連絡をしているのだろうかとヴィヴィオの脳裏に不安がよぎる。
 
「んー? 大丈夫、大丈夫。置手紙していくから」
 
 なのははへらへらと笑いながらヴィヴィオの質問に答えると、おもむろに紙とペンを取り出して、サラサラっと何かを書いている。それをポンとテーブルの上に置くと、満足気な表情でペンを元あった場所に戻していった。
 ヴィヴィオがその紙を覗き込むと、書かれている内容に思わず目を剥いた。
 
(もしかして、まだ昨日の事実は怒ってるのかなぁ……?)
 
 ヴィヴィオはそんな事を考えながら、満面の笑みを浮かべている母親の姿を眺めていた。
 その置手紙のせいで、速攻で仕事を終わらせたフェイトが半べそで高町の実家を訪れることになるのだが、それはまた別のお話────。
 
 
(おわり)
 
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テーマ : 魔法少女リリカルなのは
ジャンル : アニメ・コミック

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